P30-P31
■八日目
修行の合間には、塞西莉が島の中を案内してくれた。というか、普段は厳しい師匠も塞西莉の要求には逆らえないようだった。おかげで疲れた身体を休める暇ができる。それに塞西莉と遊ぶのは楽しくないと言えば嘘になる。
自生する甘い果実はほっぺたが落ちそうなほど美味しかった。暑い時は氷を溜めておくための氷室で涼んだ。擦り傷を作っては泉の薬草で手当てをしてもらった。
そして、湖に浮かぶ小さな島だとは思えないほど、たくさんの動物がいた。おそらく、向こう岸から湖を泳いで渡ってくるのだろう。なにより、同年代の遊び友達がいるというのは新鮮だった。その気持ちは塞西莉も同じようだった。
塞西莉は旅の話を聞きたがった。とは言っても話せるのは魔獣に食われかけた話だとか物騒なものばかりだ。そういう意味では自然が豊かで食べ物にも困らず、危険もない環境で暮らす塞西莉のことが羨ましいくらいだった。
でも、理由は分からないものの、一生島から出られないという塞西莉にはまた違う考えがあるようだ。外から来た旅人を通じて、彼女は外の世界への興味がますます募るのが抑えきれないらしい。
数日のうちに島の中で知らない場所はないというほどになっていたが、絶対に行ってはいけないと止められている場所もあった。島の中心部にある大きな洞窟が工しエサそれだった。そこには塞西莉の母、摩周の妻である伊麗莎が父子と離れて暮らしているのだという。
島には変な決まりが三つあった。一つは神誨魔械に触れてはいけない。これは分かる。世話こそ塞西莉に任されているが、この島に張られた結界の要であり、強力な魔装具だからだ。ニつ目は湖に近づいてはいけない。とは言ってもこれは塞西莉だけだ。師匠は彼女が外の人間と近づくのを奇妙なほど怖れている。過保護すぎるけど、まあものすごい親ばかだと思えば分からなくもない。
でも最後の一つはどうしても分からない。塞西莉は母親に自由に会えないのだ。一応は一月に一度は師匠と一緒に会えるようなのだが、そこまでする理由が分からなかった。だけど、親に会えない苦しい気持ちは、分かる。同じ気持ちを知っているからだ。
最初から親の顔も知らないよりも、もしかしたらすぐそばにいるのに自由に会えないということの方がつらいのかもしれない。
もちろん、両親には会ってみたいと思ってるさ。でも、会ったことない人に会い
■八日目
修行の合間には、塞西莉が島の中を案内してくれた。というか、普段は厳しい師匠も塞西莉の要求には逆らえないようだった。おかげで疲れた身体を休める暇ができる。それに塞西莉と遊ぶのは楽しくないと言えば嘘になる。
自生する甘い果実はほっぺたが落ちそうなほど美味しかった。暑い時は氷を溜めておくための氷室で涼んだ。擦り傷を作っては泉の薬草で手当てをしてもらった。
そして、湖に浮かぶ小さな島だとは思えないほど、たくさんの動物がいた。おそらく、向こう岸から湖を泳いで渡ってくるのだろう。なにより、同年代の遊び友達がいるというのは新鮮だった。その気持ちは塞西莉も同じようだった。
塞西莉は旅の話を聞きたがった。とは言っても話せるのは魔獣に食われかけた話だとか物騒なものばかりだ。そういう意味では自然が豊かで食べ物にも困らず、危険もない環境で暮らす塞西莉のことが羨ましいくらいだった。
でも、理由は分からないものの、一生島から出られないという塞西莉にはまた違う考えがあるようだ。外から来た旅人を通じて、彼女は外の世界への興味がますます募るのが抑えきれないらしい。
数日のうちに島の中で知らない場所はないというほどになっていたが、絶対に行ってはいけないと止められている場所もあった。島の中心部にある大きな洞窟が工しエサそれだった。そこには塞西莉の母、摩周の妻である伊麗莎が父子と離れて暮らしているのだという。
島には変な決まりが三つあった。一つは神誨魔械に触れてはいけない。これは分かる。世話こそ塞西莉に任されているが、この島に張られた結界の要であり、強力な魔装具だからだ。ニつ目は湖に近づいてはいけない。とは言ってもこれは塞西莉だけだ。師匠は彼女が外の人間と近づくのを奇妙なほど怖れている。過保護すぎるけど、まあものすごい親ばかだと思えば分からなくもない。
でも最後の一つはどうしても分からない。塞西莉は母親に自由に会えないのだ。一応は一月に一度は師匠と一緒に会えるようなのだが、そこまでする理由が分からなかった。だけど、親に会えない苦しい気持ちは、分かる。同じ気持ちを知っているからだ。
最初から親の顔も知らないよりも、もしかしたらすぐそばにいるのに自由に会えないということの方がつらいのかもしれない。
もちろん、両親には会ってみたいと思ってるさ。でも、会ったことない人に会い
DE魔王se









