「…誰だ」
突然現れた乙骨憂太(おっこつゆうた)に、虎杖が尋ねる。
しかし乙骨はその言葉に答えることなく、虎杖たちを見下ろしている。
そして脹相(ちょうそう)が『誰であろうと 目的は……』と考えていたその時
乙骨が建物の上から飛び降り、着地と共に激しく地面が崩れ落ちた。
それと共に、辺りを地震のような衝撃が包み込む。
「誰が虎杖くんの」
「何?」
ようやく乙骨が口を開く。
「やはり悠仁の死刑執行人か」
「ちょい待って」
禪院直哉(ぜんいんなおや)が割って入る。
「味方やで」
「君 乙骨君やろ」
『乙骨……
伏黒が言ってた2年の』
『五条先生と同じ
特級術師……!!』
「アナタは?」
「禪院直哉 真希ちゃんのいとこや
君と同じで虎杖君殺せって言われとる」
「安心しぃ
君の邪魔はせぇへん」
「その代わり」
「逃げるぞ悠仁」
直哉と乙骨が話す中、脹相が小声で虎杖にいった。
「金髪は種のあるスピードタイプ」
「アイツと追いかけっこは美味くない 俺が足止めする」
「大丈夫かよ」
「俺はな 狙われてるのはオマエだぞ 悠仁」
「黒髪……
乙骨から逃げ切ることだけを考えろ」
「五条悟と同じタイプと見た 戦ったら死ぬぞ」
そういった脹相がゆっくりと手を合わせる。
『悠仁と術師(にんげん)を戦わせず かつ
俺に引け目を感じさせない提案』
『フッ…… 世話が焼ける…』
「昨日地点で落ち合うぞ」
「応!!」
「虎杖君を殺しても そのことを上に暫く黙っててくれへん?」
両手を挙げた状態で、直哉が乙骨に条件を持ちかける。
「彼を餌に 会いたい人がおんねん」
『恵君のこと黙っといたらよかったな 肝冷えるわ』
「いいですよ
じゃあ そっちは任せます」
そう乙骨がいい終わった瞬間
その場にいた全員が、一斉に動き出す。