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[转贴]脑补同人小说 第13话比吕美结局

只看楼主收藏回复

2ch ttエロ同人小说版ss职人「朋与男」さん的脑补比吕美结局.
非エロ.

26 :朋与男:2008/03/26(水) 02:02:46 ID:5VPk525T
「ある日の比吕美」が放置状态なのにアレなんですが… 
自分の精神安定の为に、仮想最终回「乃絵と比吕美のあいだに」を书き始めてしまいました。 
内容は…… 

・比吕美ENDの最终回です。乃絵派の方にはお荐めできません。 
・12话までの眞一郎の行动を、最大限好意的に解釈しています。 
・非エロです。エッチなシーンは全くありません。 
・「ある日の朋与」から繋がる世界です。朋与が无駄に活跃します。 
・思わせぶりな题名に意味はありません。适当に付けました。 

7割くらい书けてますので、本编より先に结末へ辿り着けると思います。 
殆どの方は兴味ないと思いますので、どうぞスルーしちゃって下さい。 



1楼2008-03-27 07:17回复
    27 :乃絵と比吕美のあいだに 1:2008/03/26(水) 02:04:18 ID:5VPk525T
    救急病院の待合室に、石动纯が駆け込んでくる。 
    眞一郎はその姿を见つけると、ソファーから立ち上がった。 
    「乃絵の…乃絵の様态は?」 
    纯の动揺はかなりのものだったが、それでも乃絵の携帯を使って连络した时よりはマシだった。 
    「大丈夫。雪がクッションになってくれたから、奇迹的に軽い打扑だけで済んだ」 
    ただ头を打っているので、検査のため入院が必要な事と、今日は面会できない事を、眞一郎は纯に伝えた。 
    「そうか……すまなかった」 
    纯は眞一郎に深々と头を下げると、入院の手続きを済ませ、东京で働いているという母亲へ连络をつけた。 
    眞一郎は特にすることも、出来ることも无かったが、黙って纯の横についていた。 
    一人でいるよりはマシだろう……そう考えたのだ。 
    手続きやら、担当医の话やらが终わると、二人は病院を后にした。 
    とりあえずは乃絵が軽伤らしいという事で、付添い人の宿泊は认められなかったのだ。 
    ………… 
    ………… 
    海岸通りを、会话も无く歩く眞一郎と纯。 
    途中の自贩机で、纯はショート缶のコーヒーを二本买うと、ひとつを眞一郎に投げて寄こした。 
    どちらからともなく、砂浜へ降りるための円形阶段に腰を下ろし、コーヒーを煽る。 
    「お前には……谢らなきゃならない……」 
    唐突に、纯が话を切り出す。 
    乃絵と付き合えと言ったこと、比吕美と付き合ったこと、その裏に隠してきた己の真意。 
    妹を……実の妹を爱してしまったことを……。 
    「おかしいだろ?……でもな……気持ちだけは……自分じゃどうにも出来ない……」 
    纯は乃絵に『禁断の告白』を口にしてしまった事を白状し、自嘲気味に笑う。 
    だが眞一郎は笑えなかった。もし、自分と比吕美が本当の兄妹だったら……。 
    そう考えると、纯の苦しい胸の内が痛いほど理解できた。 
    「だから……もう、契约は终わりだ」 
    もういい、お前の気持ちも、比吕美の気持ちも、知っていて自分はそれを踏み躙ってきた。 
    许して欲しい。そして自分たちの本当の気持ちに、お前たちも向き合って欲しい……そう纯は言った。 
    コーヒーの残りを一気に饮み干すと、眞一郎は力强く告げる。 
    「俺、比吕美が好きです」 
    でも、乃絵とも契约だから付き合っていたんじゃない。乃絵は比吕美とは别の、大切な何かであると。 
    その乃絵が自分に向けてくれる好意と向き合い、自分の気持ち伝えなければならない……。 
    それを眞一郎は、比吕美に対するのと同じく、「ちゃんとする」という表现で纯に伝えた。 
    纯は暂く羡望の眼差しで眞一郎を眩しそうに见ていたが、フッと笑うと、自分もコーヒーを饮みきった。 
    「乃絵がお前に惹かれた訳……なんとなく分かった気がする」 
    そう言うと纯は立ち上がって、空き缶を海に向かって投げた。 
    眞一郎も立ち上がり、それに习う。いけない事だとは思ったが、なぜかそうしたい気分だった。 
    真っ暗な暗の中に、波音だけが静かに响き、そこが海なのだと知らせている。 
    その中で立ち尽くす二人の少年は、さっきまで互いに嫌悪していた相手に、今は奇妙な友情を感じていた。


    2楼2008-03-27 07:17
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      2025-12-06 07:07:19
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      29 :乃絵と比吕美のあいだに 2:2008/03/26(水) 02:06:09 ID:5VPk525T
      眞一郎は比吕美を置き去りにした场所に戻ってきた。 
      祭りの喧騒は消え、もう谁もいない。 
      戻ってきても比吕美がいない事は承知していた。 
      だからこそ、眞一郎は戻ってきたのだ。 
      ……自分の选択を、もう一度、自らの心に问うために……。 
      ………… 
      「打ち上げに行く」と言った自分の嘘を、比吕美は见抜いていただろう。 
      乃絵に会いにいった事も、分かっているに违いない。 
      きっと伤ついている……泣いている……。 
      そして比吕美は误解するだろう。自分は舍てられたのだ……眞一郎は乃絵を选んだのだと……。 
      (こんなやり方しか出来ない俺を、比吕美は许さないかもしれない……) 
      恐ろしかった。比吕美を…一番大切な人を失うかもしれないのだから。 
      ……一番……大切な人を……。 
      (だから……一番大切だからっ!!) 
      今はまだ、比吕美と向き合うことは出来ない。 
      乃絵に自分の気持ちを告げるまでは……『ちゃんと』出来るまでは……その资格はない。 
      自分の覚悟をしっかりと再确认した眞一郎は、踵を返してその场を立ち去ろうとする。 
      「?」 
      视线の端に、见覚えのある何かが映った。 
      (……これ……比吕美の履いていた……) 
      先端がビニールカバーに覆われた妇人物の下駄が、片方だけ比吕美の立っていた场所に残されていた。 
      拾い上げて両手で包み込む。 
      比吕美の温もりが残っているはずもないが、彼女の悲しみは确実に残留している気がした。 

      …………置いてかないで…………置いてかないで………… 

      耳残る幼い日の比吕美の泣き声。眞一郎には、それが今もハッキリと闻こえる。 
      (ゴメン、比吕美。……すぐに……すぐに戻るから……) 
      眞一郎は駆け出す。 
      今までの様に、何かから逃げる为に走るのではない。 
      比吕美の元に、少しでも早く戻る……そんな愿いを両脚に込めて、眞一郎は走った。


      3楼2008-03-27 07:17
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        30 :乃絵と比吕美のあいだに 3:2008/03/26(水) 02:07:41 ID:5VPk525T
        祭りの翌日、比吕美の姿は麦端高校の体育馆にあった。 
        たった一人、ジャージに着替える事もせず、ひたすらシュートを放ち続ける比吕美。 
        周りには何十个ものバスケットボールが転がり、比吕美のその行为が长时间に及んでいる事を示してた。 
        身体に充満した苛立ちを少しでも吐き出すため、比吕美はボールを放ち続ける。 
        (…………置いてかないで……) 
        気を缓めると、すぐに头に浮かんでしまう、その言叶………… 
        外见の鬼気迫る様子とは裏腹に、比吕美の精神は崩壊寸前だった。 
        麦端踊りの时に见せ付けられた、二人の気持ちの繋がり…… 
        自分を置き去りにして、石动乃絵を追いかけていった眞一郎の姿…… 
        乃絵は、自分と眞一郎が积み重ねてきた『时间』など、苦もなく飞び越えてしまった…… 
        ……そして、眞一郎も…… 
        悲しみ、怒り、妬み……比吕美に内在する不の感情が溢れ出し、その手元を狂わせる。 
        もう何十本もシュートを打っているのに、リングを通过したのは、ほんの仅かだった。 
        ………… 
        「全然ダメじゃん。フォームが目茶目茶……」 
        その声にハッと我に返る。入口に颜をしかめて腕组みしている朋与が立っていた。 
        「いつから居たの……全然気づかなかった」 
        「连続で五本はずして『クソッ』って毒づいた辺りから」 
        やれやれ、という风に軽く笑いながら、朋与は散乱したボールを片付け始める。 
        谁にも今の自分を见られたくない……そんな风に考えていたつもりだったが、 
        唐突に、自分の真意がそうではなかった事に気がつく比吕美。 
        体育馆にいれば朋与が来てくれる。无意识に、その事が分かっていたのかもしれない。 
        (朋与に讯いて欲しかった……私…朋与を待っていた……) 
        一通り片付けを终えると、朋与は无言で视线を向けてくる。比吕美が话し出すのを待っているようだった。 
        「昨日の麦端祭り……来ればよかったのに……面白いものが见れたよ……」 
        「?」 
        丑く歪む比吕美の口元。比吕美は自分で自分を笑っていた。 
        祭りでの出来事を、比吕美は朋与に话し始める。 
        踊りの前から眞一郎の様子がおかしかった事。石动乃絵に眞一郎との别れを恳愿した事。 
        麦端踊りの事。眞一郎がその时、谁の为に踊り、谁の为に舞ったか……気づいてしまった事……。 
        「……フラれちゃった……」 
        手にしたボールを构え、出鳕目なフォームでシュートする。当然のごとく、ボールはリングに掠りもしない。 
        「もう信じられないってこと?仲上くんのこと」 
        眞一郎を信じるとか、信じないとかではない。问题は自分自身……眞一郎に頼りきっている……自分の弱い心。 
        「私ね…こんな自分…嫌なの…………こんなの……もう……」 
        ………… 
        暂しの沈黙の后、朋与はボールを手にした。 
        二、三度ドリブルの真似事をしてから、胸の前に构える。パスの合図だった。 
        比吕美が构えると、迷いの无いパスが一直线に飞んでくる。 
        (……朋与……) 
        素早く身体をバックボードへと向ける比吕美。 
        全身を一旦沈み込ませ、そして飞び上がる!膝から……そして左手は添えるだけ……! 
        フェイダウェイ気味に放たれるシュート。 
        そして……朋与の强い意志を载せたボールは、美しい弧を描いてリングへと吸い込まれていく。 
        シュッと心地いい音を立ててネットを通过すると、ボールはそのまま下に落下し、数度のバウンド経て动きを止めた。 
        静寂が访れるのを待って、朋与が口を开く。 
        「言うのよ比吕美。その口で。仲上くんに『好きだ』って」 
        朋与の态度は真剣を通り越して、もはや胁迫の域に达していた。 
        だが、そんな亲友の真挚な姿を见ても、比吕美はまだ逃げることを止められない。 
        「无駄よ……だって眞一郎くんは…」 
        「无駄でも言うのよ!じゃなきゃ変われない!!」 
        朋与は比吕美の胸仓に掴みかかった。 
        「アンタいつもそればっかり!自分の気持ちくらい……自分で决めてケリつけなよ!!」 
        怒りに任せて比吕美を突き放すと、朋与はその场から去っていく。 
        期待していた朋与の慰めを得られず、また一人になった比吕美は、ただその场に立ち尽くしてた。


        4楼2008-03-27 07:18
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          31 :乃絵と比吕美のあいだに 4:2008/03/26(水) 02:11:17 ID:5VPk525T
          黄昏の病室で、乃絵は空を见ていた。 
          海に近い事もあり、目线の高さに海鸟が数羽、潮风に煽られながら飞んでいる。 
          一人でいる时、自分にはする事が何も无いな、と改めて思う。 
          アブラムシの呗を口ずさむ気分でもない。 
          ……ただ……时が过ぎていくのを……流れていくのを见ているだけ…… 
          何も分からない、何も気づかない、何もしない自分なのだから、そうしているのがお似合いだ…… 
          そう乃絵は思った。 

          …………コン、コン………… 

          ドアがノックされた。乃絵が返事をすると、扉はゆっくり开き、眞一郎の姿が眼に入ってくる。 
          「……眞一郎」 
          「よぉ。…………二つ目の约束……果たしに来た……」 
          眞一郎の手には、もう见惯れたスケッチブック…「雷轰丸と地べたの物语」が握られている。 
          赤い実の木から飞び降りた自分を助けてくれたのが眞一郎であることは、兄から闻いて知っていた。 
          そして眞一郎が、そう远くない日に乃絵の病室を访れるであろう事も……。 
          二つ目の约束が果たされた时……自分と眞一郎がどうなってしまうかも……乃絵にはハッキリと分かっていた。 
          一つ目の约束……麦端踊りの舞台に立つ眞一郎を见た时に……嫌というほど分かってしまったのだ……。 
          「描き上げたんだ……『雷轰丸と地べたの物语』……お前に见て欲しい……」 
          无言でそれを受け取り、缚られた纽を解く乃絵。 
          表纸を开き、噛み缔めるようにページをめくって、乃絵は絵本を読み进めていく。 
          ………… 
          ………… 
          雷轰丸が飞んでいた。 
          自分の意志で、谁のためでもなく、自分自身の思いのままに、力いっぱい、大空へ………… 
          ………… 
          ………… 
          乃絵は絵本を闭じると、暂くその余韵に浸るように、目を闭じて静止していた。 
          「どうだ?」 
          「……飞べたね……雷轰丸…………」 
          そして眞一郎も……そう言いかけて、乃絵の唇は动きを止める。 
          まだだ……眞一郎が本当の飞翔を乃絵に见せるのは……これから……。 
          (でも……私は……) 
          怖い。飞ぶのが怖い。そうしなければならないのに、选ぶのが怖い。进むのが怖い……。 
          目を闭じて震える乃絵。そんな彼女の耳に、眞一郎の柔らかな嗫きが届く。 
          「乃絵……お前も飞べる。……だってさ……俺と雷轰丸を飞ばせてくれたのは……お前なんだから……」 
          「…………」 
          优しい声に、乃絵の瞳がゆっくりと开いていく。 
          窓辺に立つ眞一郎はオレンジの入射光をその身に缠い、まるで金色の翼を広げている様に、乃絵には见えた。 
          「俺と一绪に飞ぼう、乃絵」 
          傍から见れば、それは爱の告白のように闻こえたかもしれない。 
          だがそうではない……乃絵にはそれが分かっていた。 
          「…………えぇ、私も眞一郎と飞びたい」 
          飞ぶ……眞一郎と飞翔する……。泥のようにまとわり付いてた恐怖が、心から洗い流されていく。 
          それは乃絵が子供だった自分に决别した瞬间だった。


          5楼2008-03-27 07:18
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            32 :乃絵と比吕美のあいだに 5:2008/03/26(水) 02:13:57 ID:5VPk525T
            汤浅比吕美を爱している……ずっと昔から……。そう眞一郎は乃絵に告げた。 
            その声色は优しく、柔らかで、眞一郎の比吕美への想いが、そのまま音になったようだった。 
            乃絵は视线を逸らさずに、黙って闻いている。 
            眞一郎は淡々と话し続ける。これまで比吕美との间にあったことを……。 
            幼い日に胸に刻まれた思い出、そして二人を隔てた大きな壁、 
            それでも……障害に阻まれても消えることが无かった互いの気持ち……。 
            ………… 
            残酷なことをしている……その自覚が眞一郎にはあった。 
            でも止める事はできない。そう自分で决めたから。 
            真剣な想いを向けてくれる少女に、自分の真剣な…正直な気持ちで応える。 
            それが『飞ぶ』ということ…… 
            自分で决めて、前へと进む勇気を持つ……眞一郎が见つけた『飞ぶ』という事の答え。 
            ………… 
            ………… 
            「だからもう……乃絵には逢えない」 
            眞一郎の告白が终わると、乃絵は少しのあいだ目を伏せてから、再び向き直る。 
            笑颜だった。初めて出会ったときよりも眩しい、辉くような笑颜だった。 
            「次は、私の番!」 
            乃絵の想いは简洁だった。 
            眞一郎が好き。大好き。 
            赤い実の木の上から、初めて眞一郎を见てから……『好き』がどんどん积み重なっていった。 
            どんどん、どんどん、どんどん………… 
            乃絵が好きだ、と言ってくれた时……石文字で书いてくれた时……凄く嬉しかった……泣きたいほどに…… 
            でもすぐに気がついてしまった。 
            自分が……自分の事しか见ていない子供だということに……。 
            纯の気持ちにも、比吕美の気持ちにも、…………眞一郎の本当の気持ちにも気づかない…子供だったことに。 
            どうすればいいか分からなかった。何をすればいいか知りたかった。 
            …………つい、さっきまでは…………。 
            でも今は违う。眞一郎と雷轰丸が、どうすれば『飞べる』のかを教えてくれた。 
            答えは最初から乃絵自身の中にあったのだ。 
            相手の気持ち、周りにいる…自分を包んでくれる人たちの想いを真心で感じて……そして自分で决める。 
            それが乃絵の辿り着いた『飞ぶ』という事の答え。 
            ………… 
            ………… 
            「私も……もう眞一郎には逢えない」 
            眞一郎に真っ直ぐに向けられた乃絵の表情には、迷いも、谛めも、后悔もない。 
            乃絵は谁かのために、自分の想いを犠牲にしたのではない。 
            それは乃絵が自分の意思で、自分の为にした决断。 
            爱する人の……眞一郎の本当の想いを遂げさせたい……それが乃絵の、伪りのない気持ち。 
            「行って、眞一郎。あなたが『本当に』飞ぶところは……ここじゃない」 
            眞一郎は黙って颔くと、出口へと向かった。 
            「眞一郎!!」 
            乃絵の呼びかけに、扉を横にスライドさせた眞一郎の动きが止まる。 
            「…………ありがとう」 
            眞一郎は振り返らなかった。前に向かうだけだった。 
            その姿が视界から消えても、乃絵は何度も「ありがとう」と远ざかる背中に向かって呟き続けていた。


            6楼2008-03-27 07:18
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              33 :乃絵と比吕美のあいだに 6:2008/03/26(水) 02:16:13 ID:5VPk525T
              「雷轰丸……あなたにもお礼を言うわ……ありがとう…」 
              そう言って、乃絵は眞一郎の书いた题字を指でなぞる。 
              「でも、あなたは飞ぶ事を选んだんだから、ここに居てはいけないの」 
              乃絵はベッドから立ち上がると、ハンガーに挂けてあった赤いコートを羽织った。 
              眞一郎が残していったスケッチブックを再び开き、そのページを一枚一枚、丁宁に剥がしていく。 
              (雷轰丸……空へ……空へ帰るのよ) 
              バラバラになった絵本を、乃絵は一つ一つ、心を込めて折り上げていく。 
              ベッドの上は、あっという间に沢山の纸飞行机でいっぱいになった。 
              窓を开けると、病室の中に海からの风が『雷轰丸』を手招きするように吹き込んできた。 
              海鸟たちが上升気流に身を任せて滑空している。 
              それもまた、「早く来いよ」と『雷轰丸』を呼んでいるかの様に、乃絵には感じられた。 
              「さぁ、飞びなさい!雷轰丸っ!!」 
              乃絵は纸飞行机…いや、『雷轰丸』を金色の大空へと飞び立たせた! 
              次々と『雷轰丸』たちをオレンジが落ちていく世界へ送り出す乃絵。 
              『雷轰丸』は风に乗り、どんどん远くへと飞んでいく。 
              それらは不思议と坠落することもなく飞び続け、海鸟たちと共に雄大な飞翔を乃絵に见せてくれた。 
              ………… 
              风が頬を优しく抚でてきた时、部分的に体温が夺われる感覚がして、乃絵は自分が泣いていることに気がついた。 
              いつの间にか、暖かな雫が乃絵の頬を伝って、次々と零れ落ちている。 
              それは无意识のうちに闭じ込めていた自分の心が、开放された证なのだと、乃絵にはすぐ分かった。 
              羽织っている赤いコートの襟元を、まだ幼さの残る掌でギュッと掴む。 
              「お婆ちゃん……眞一郎が……ううん…みんなが……私に涙をくれたわ……」 
              乃絵は暂くのあいだ、流れる涙を拭うこともせずに窓际に立ち、离れていく『雷轰丸』と海鸟たちを见ていた。 
              担当の先生と话をしていた纯が戻ってきたことにも気づかず、黄昏の世界に见入っている。 
              纯は黙って、その乃絵の背中を见つめた。 
              昨日までの乃絵とは违う……漠然とだが、纯にはそう感じられた。 
              きっと仲上が来たに违いない。そしてアイツが乃絵を変えた……変えてくれた……。 
              乃絵は今、泣いている。気高い涙を流している。昨日までの乃絵は……もう居ない……。 
              自分が爱した少女が消えてしまったというのに、何故か纯は悲しくなかった。 
              みんな変わる……変わっていく……そして自分も……。その事が纯には良く分かっていたから……。 
              (……婆ちゃん……俺も……) 
              天国の祖母に呼びかけようとして、纯は自分もまた泣いていることに気がついた。 
              悲しいわけではない……なのに涙は止まらなかった。 
              《乃絵は大人になったの……それを喜んであげなさい……》 
              そう呟くお婆ちゃんの声がする……そんな気が、纯にはしていた。


              7楼2008-03-27 07:18
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                46 :乃絵と比吕美のあいだに 7:2008/03/26(水) 21:59:24 ID:5VPk525T
                眞一郎と乃絵が黄昏の中で邂逅していた顷、比吕美はひとり、仲上家へと向かっていた。 
                「比吕美ちゃ~ん」 
                后ろから闻き覚えのある声がする。 
                振り向くと、手を振ってこちらへ駆けて来る爱子の姿が见えた。 
                同じ街に住んでいながら、何年も颜を合わせなかったというのに……。 
                祭りを境に、また縁が结ばれたのだろうか? 
                自然に自分の横に并んでくる爱子を见て、比吕美はそんな事を考えていた。 
                「うわ~大きな风吕敷。何それ」 
                「お祭りの时に着てた着物。眞一郎くんの家に返しに行くの」 
                祭りの话はしたくなかったが、疎远になっていた爱子とは、麦端祭りの事しか话题が无い。 
                着物や自分たちのした仕事の话でお茶を浊そうとする比吕美だったが、それは无駄なことだった。 
                爱子は踌躇い无く、比吕美が触れられたくない所に斩り込んで来る。 
                「眞一郎と……付き合ってるって言ってたよね、昨日」 
                「…………」 
                彼女は私です……そう比吕美は爱子に言った。 
                でもそれは事実ではなく、比吕美がそう思いたかっただけ……。 
                黙り込んでしまった比吕美を见て、爱子は三人の関系がまだ、复雑に络みあったままなのだと気づいた。 
                そして比吕美は恐れている。どうすればいいかは分かっているのに……もたらされる结果が怖い。 
                (ちょっと前のあたしだ……) 
                眞一郎にフラれる前の、三代吉とやり直す前の自分が……今、比吕美の姿をして目の前にいる。 
                だとしたら……する事はひとつしかない…………爱子はそう思った。 
                ………… 
                「谛めるの? 眞一郎のこと」 
                「!!」 
                思わず爱子の颜を睨みつけてしまう。认めたくない答えをあっさり示されて、比吕美は不愉快だった。 
                「……眞一郎くんの気持ちは……石动乃絵さんにあるの……彼女は……凄い娘だから……」 
                眞一郎と比吕美のあいだに流れた大切な时间……それを无かったことに出来るほど……乃絵は魅力的だった。 
                素直で、纯粋で……天使のような娘……。胜てるはずが无い……比吕美はそう思った。 
                ………… 
                「それがどうしたの?」 
                「!?」 
                榨り出すように吐露した苦悩に『それがどうした』と切り返されて、比吕美は心底惊いた。 
                爱子は自分の话を闻いていないのだろうか。 
                再び口を开き、乃絵がどれほど眞一郎の心を掴んでいるか说明しようとする比吕美。 
                だが、爱子がそれを遮る。 
                「そうじゃなくて……比吕美ちゃんは『どうしたい』の?」 
                爱子が放つ追及の刃は、容赦无く比吕美の心へと突き刺さっていった。


                8楼2008-03-27 07:18
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                  2025-12-06 07:01:19
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                  47 :乃絵と比吕美のあいだに 8:2008/03/26(水) 22:01:40 ID:5VPk525T
                  眞一郎が自分から离れていく……その予感を感じた时から、比吕美はずっと考えていた。 
                  一体どうすればいいのか…自分は何がしたいのかを……。 
                  「私……私は……」 
                  比吕美は朋与が指摘したとおり、眞一郎にちゃんと『想い』を口にした事はない。 
                  不意打ちでキスを夺ったことはある。……でもそれは……『想い』を伝えたことになるのだろうか? 
                  眞一郎の告白を诱うための……ズルいやり方ではなかっただろうか? 
                  ………… 
                  思えばいつも、自分は眞一郎の手の届くところまで近づいていって、彼が见つけてくれるのを待つだけだった。 
                  それではもうダメな事は分かっている……変わりたい……そう思っている……。 
                  …………でも…………怖い……。 
                  ………… 
                  答えを口に出来ない比吕美を见ても、爱子は责める気にはならなかった。 
                  简単に决断できるほど軽い想いなら、比吕美がこんなに苦しむはずがない。 
                  (分かるよ、比吕美ちゃん……あたしも……そうだったから) 
                  自分の役目はここまでだ、と爱子は思った。 
                  この后、比吕美が自分で决断するか、それともまた谁かが小石を投げ入れて波纹を起こすのか……。 
                  それは神様だけが知っていること。三人の运命に、自分はこれ以上、口出しするべきではない。 
                  ………… 
                  そろそろ店に着くな、と思い视线をあげる爱子。店の前で待っている三代吉が目に入る。 
                  「それじゃ比吕美ちゃん、あたしここで!」 
                  爱子は、自分だけの世界に入り込んでしまった比吕美から离れ、三代吉のいる方へと駆けていく。 
                  そのまま离れていくかと思われた爱子の脚が、店と比吕美の中间で止まった。 
                  比吕美の方に振り向き、大声で叫ぶ爱子。 
                  「比吕美ちゃん!」 
                  思考の深远に嵌まり込んでいた比吕美の意识が、爱子の声で现実に引き戻される。 
                  そして爱子は比吕美の瞳を真っ直ぐ见据えて言った。 
                  「自分で决めるのよ。眞一郎が决めるのは眞一郎の事だけ。自分の事は自分で决めるの」 
                  それだけ告げると、爱子は再び三代吉に向かって駆け出した。 


                  「ごめ~ん、待った?」 
                  一応谢って见せるが、少しくらいの遅刻で三代吉が腹を立てるわけが无いと、爱子には分かっていた。 
                  三代吉が何か讯きたそうにしていたが、无视してポケットをゴソゴソと渔り键を探す。 
                  「一绪のいたの汤浅さんだろ?……何…话してたの?」 
                  我慢できずに三代吉が口を开く。きっと眞一郎に関系があると思ったのだろう。彼はいつも眞一郎を気に挂けている。 
                  爱子は三代吉のそんなところが大好きだったが、こればかりは话す訳にはいかなかった。 
                  「女同士の话。……いから、入ろう!」 
                  店の中に三代吉を押し込むと、爱子は比吕美のいた方を见た。 
                  (がんばれ!比吕美ちゃん!) 
                  乃絵には申し訳ないが、やっぱり眞一郎は比吕美と结ばれて欲しい……。 
                  爱子はそう愿って、心の中でエールを送った。


                  9楼2008-03-27 07:19
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                    48 :乃絵と比吕美のあいだに 9:2008/03/26(水) 22:04:38 ID:5VPk525T
                    「ごめんください」 
                    比吕美が戸を开けると、「はぁ~い」と爱想のいい声がして、おばさんが颜を见せる。 
                    が、相手が比吕美だと分かると、おばさんの颜はすぐ不机嫌になった。 
                    「纷らわしいわね。お客様じゃないんだから、向こうの玄関を使いなさい」 
                    「え……は、ハイ……」 
                    また怒られてしまった。比吕美はそそくさと来客用の玄関を出て、家人用の玄関へと廻る。 
                    おばさんが自分を家族として见てくれている……それは嬉しい事だった。 
                    比吕美の颜が自然にほころぶ。 
                    だが喜びに気持ちが缓んだのもつかの间、比吕美の表情はすぐに悲しみで昙った。 
                    眞一郎との関系が终われば、この家に来る事も出来なくなる……。 
                    それもまた、比吕美の决断を钝らせている原因のひとつだった。 

                    「これ、ありがとうございました」 
                    居间に入り、风吕敷包みをおばさんに差し出す。 
                    贷してくれた着物は、おばさんが若い顷に着ていたお気に入りの物らしい。 
                    「あげても良かったんだけど……やっぱり、ちゃんとした箪笥がないとね」 
                    着る时はどうせ私が着付けるんだから、とおばさんは笑う。 
                    「あの……すみませんでした。下駄、片方なくしちゃって……」 
                    头を下げ谢罪する比吕美。 
                    ……本当は无くしたのではない。わざと置いてきたのだ。 
                    あの幼い日の思い出にすがれば……眞一郎が见つけてくれる……そう思い込みたかったから…… 
                    (そんな魔法みたいなこと……あるはず无いのに) 
                    滑稽だ。自分で自分が嫌になる……。 
                    そんな事を考え、比吕美が気分を沈ませていると、おばさんは意外な事を言った。 
                    「あぁ、あれなら眞ちゃんが持って帰ってきたわよ。境内にあったって」 
                    「え……」 
                    眞一郎が下駄を见つけた……眞一郎が……あの场所に戻ってきた……。 
                    辻褄の合わない事実に、激しく揺さぶられる比吕美の心。 
                    眞一郎は乃絵のところへ行ってしまったはずなのに……どうして……。 
                    ………… 
                    「比吕美、どうしたの?」 
                    おばさんの呼び挂けでハッとする。また混乱して思考が停止していたらしい。 
                    「なんだか変よ。今お茶淹れるから、少し待ってなさい」 
                    「いえ、私…今日は……」 
                    席を立とうとする比吕美だったが、おばさんの有无を言わせぬ态度に押し留められてしまう。 
                    「话したい事もあるし……ちょっと位いいでしょ」 
                    おばさんは台所へと向かってしまい、结局、比吕美は退出するタイミングを逃した。


                    10楼2008-03-27 07:19
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                      49 :乃絵と比吕美のあいだに 10:2008/03/26(水) 22:09:28 ID:5VPk525T
                      (何してんだろ……私……) 
                      比吕美は不思议な気分だった。 
                      あれほど憎いと思ったこの人と、自分は今、差し向かいでお茶を饮んでいる。 
                      ささくれ立っていた気持ちが、仅かに润った気もするが、 
                      土砂降りの雨が小雨になった、という程度で、やはり晴天には程远い。 
                      「颜…凄く怖いわよ」 
                      「え……そうですか?」 
                      おばさんと二人だと、やっぱり紧张します…などと言って误魔化そうとする比吕美。 
                      だが……相手はそれほど甘くはなかった。 
                      「舍てられた女の颜ね」 
                      「!!!!」 
                      言われた瞬间、比吕美は幻聴を闻いたのかと思った。 
                      だが、目の前のおばさんの颜は氷のように冷たい。……そう、最初にこの家に来た时の……あの颜……。 
                      间违いない。この人は言った。比吕美は舍てられた女だと。 
                      全部知ってるんだ……どうやって知ったかは分からないが……おばさんは知っている! 
                      (……敌だ……この人はやっぱり敌なんだ!……) 
                      比吕美の内部に蓄积されていた怒りに火がつき、瞬く间に爆発する。 
                      「……元はといえば…………全部おばさんのせいじゃないですかっ!!!」 
                      ガタッと音を立てて立ち上がり、おばさんを见下ろす体势を取ってから、溜めていた思いをぶちまける。 
                      「私がっ……眞一郎くんの事、好きなの知ってて!!……兄妹だなんて言うからぁっ!!!」 
                      心の中を全て榨り出したような比吕美の叫び。 
                      そう……おばさんがあんな嘘を言わなければ……自分と眞一郎は……もっと自然に触れ逢えた……。 
                      石动乃絵なんかに……割り込ませたりしなかった!! 
                      「全部おばさんが悪いの!おばさんが邪魔しなければ…私っ!……私はっ!!!」 
                      おばさんは目线を逸らさない。そして凉しい颜で讯いてくる。 
                      「『私は』……何?……どうするの?」 
                      ……どうする……おばさんが…邪魔しなければ……自分はどうした……というのか…… 
                      一瞬で比吕美の毒気は抜け去ってしまった。 
                      ハァ、とため息をを吐き、比吕美を见つめ直したおばさんの颜は、『昔』ではなく『今』のものだった。 
                      「私には本音が言えるのに、どうして眞一郎には言えないの」 
                      ……のせられた……。全て比吕美の本心を引き出す为の芝居だったのだ。 
                      再び席に着き、俯いてしまう比吕美。……耻ずかしいというより…情けなかった。 
                      「……伤つくのが…怖いの?」 
                      「え!?」 
                      図星をつかれて、比吕美はハッと颜を上げた。


                      11楼2008-03-27 07:19
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                        50 :乃絵と比吕美のあいだに 11:2008/03/26(水) 22:13:12 ID:5VPk525T
                        「怖いです……眞一郎くんに舍てられたら……ここにも、もう来れないし……」 
                        「屁理屈はおやめなさい」 
                        おばさんはどこまでも厳しかった。 
                        比吕美と眞一郎がどうなろうと、比吕美が『仲上』の子供である事は変わらない…… 
                        そう断言して、比吕美が持つ『最后の逃げ道』を断つ。 
                        「で、でも……」 
                        この期に及んで、まだ比吕美の心の壁は抵抗を止めない。 
                        おばさんはまた、深くため息を吐くと、呟くように言った。 
                        「かわいそうね……あなたの『想い』……」 
                        比吕美には意味がよく分からなかった。『想い』がかわいそう? 
                        「だってそうじゃない。その気持ちは、この先もずっとあなたの中に闭じ込められたままなんでしょ?」 
                        大事に育ててきたのに……どこにも出られず……感じてもらえない…… 
                        それはとても哀しいことだ、とおばさんは言った。 
                        「……でも……眞一郎くんには……もう私の気持ちは邪魔なだけ…」 
                        「眞一郎は関系ありません」 
                        またしても、バッサリと斩って舍てられる比吕美の言い訳。 
                        「あなたの『想い』はあなたの物よ。眞一郎がどう応えるかは関系ない。あなたがその『想い』をどうするか」 
                        …………関系ない…………眞一郎の気持ちは……… 
                        ………… 
                        「あなたは……抱え込み过ぎるのよ」 
                        吐き出してしまえばいい。自分に向けて、そうしたように。 
                        道が开かれるか闭ざされるかは、やってみなければ分からないことなのだ。 
                        「言ってしまいなさい。自分の正直な気持ちを。……それで駄目なら……」 
                        その时、また二人で考えましょう…そう言っておばさんは微笑んでくれた。 
                        比吕美に……比吕美だけに向けられた柔和な笑颜。 
                        ………… 
                        (あぁ…………そうか……) 
                        比吕美はようやく理解した。朋与の、爱子の言いたかったことを。 
                        相手の気持ちは関系ない。眞一郎が今、谁を爱していても関系ない。 
                        (私は今、眞一郎くんを爱している) 
                        そうだ…自分の想いは伪物じゃない。眞一郎を爱している。爱しているんだ。 
                        伤ついてもいい。目茶目茶になってもいい。ボロボロになってもいい。でも…このままじゃ终われない。 
                        大切に…大切に育んできた眞一郎への気持ち……こんな形で终わらせる事は……それだけは出来ない! 
                        ………… 
                        「あの、眞一郎くんは……」 
                        「お友达のお见舞いだって出挂けて行ったわ。たぶん病院じゃない?」 
                        病院……友达……石动乃絵 
                        「だいぶ前に出挂けたから、そろそろ帰ってくるでしょ。待つ?」 
                        比吕美は首を横に振った。 
                        「私、行きます」 
                        そう、とだけ言って、おばさんはまた汤饮みを口に运んだ。立ち上がり、居间の戸に手を挂ける比吕美。 
                        「……おばさんは……凄いですね」 
                        「あなたより二十年以上も永く『女』をやっているのよ。当たり前でしょ」 
                        振り向く比吕美。その颜は先程までとはまるで违う『晴天』の颜だった。 
                        「凄いです。尊敬……しちゃいます」 
                        「そぉ?…………ありがとう」 
                        おばさんの微笑みに背中を押されて、比吕美は駆け出す。 
                        止まらない気持ちを解放するために!眞一郎へ向かって!


                        12楼2008-03-27 07:19
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                          一大早就放让人头大的东西。


                          IP属地:日本13楼2008-03-27 07:21
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                            唉..讽刺我们这些日文白啊~~~


                            14楼2008-03-27 08:52
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                              2025-12-06 06:55:19
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                              欺负我们不懂日文是不是啊!!!!!!


                              15楼2008-03-27 13:54
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