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回复:[转贴]脑补同人小说 第13话比吕美结局

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哈哈大致看懂了
狼去医院探望电波
和老哥沟通 然后像电波发卡
养女去探望狼母 
因为不清楚狼心意
想逃避被狼母训斥一


16楼2008-03-27 15:14
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    69 :乃絵と比吕美のあいだに 12:2008/03/28(金) 00:00:07 ID:3sN9+YyA
    病院へ行くには、竹やぶのトンネルを抜けて海岸通りに出るのが一番早い。 
    (眞一郎くん!!) 
    逢いたい、今すぐ眞一郎に逢いたい!! 
    比吕美の両脚は普段以上の力を発挥して、悪路を駆け抜けていく。 
    ……その时…… 
    …………ガサガサッ…ガサッ……ザザッ………… 
    右侧の竹やぶが不穏な音を立てて揺れ、何か块の様なものが滑り降りてくる。 
    「!!」 
    バスケで锻えた反射神経が反応して、头が命じるより早く、比吕美の身体は止まった。 
    块は人だった。见覚えのあるライトグリーンのコート………… 
    「比吕美っ!!」 
    息も绝え绝えの眞一郎が、比吕美の视界に飞び込んでくる。 
    突然のことに呆然としている比吕美を抱きしめようとする眞一郎だったが、 
    何かが彼の心にブレーキを挂け、その动作を止めさせる。 
    比吕美には、それが眞一郎の答えだと思えたが、もう决意が挫けることはなかった。 
    「母さんが…ハァ、ハァ……比吕美が…血相変えて…飞び出していったって……」 
    どうやら、おばさんが眞一郎の携帯に连络して、遭遇を演出したらしい。 
    (おばさんったら……) 
    心遣いが嬉しかった。 
    最短距离を疾走してきたのか、眞一郎はまだ息が整わない様子である。 
    眞一郎の回复を待っている间に、ふと、辺りを见回す比吕美。 
    (……そういえば……) 
    偶然か、それとも必然か……この竹やぶは比吕美の恋が始まった场所だ。 
    终わるなら……ここが一番ふさわしいかもしれない。 
    ………… 
    「石动さん……お加减どうだった?」 
    「…………」 
    荒い呼吸が治まってきた眞一郎に问い挂ける比吕美。だが返事はない。 
    ただ真っ直ぐに……眞一郎は视线を比吕美の両眼に合わせてくる。 
    「比吕美っ!俺!!」 
    「待って!!!」 
    眞一郎の叫びを、もっと大きな比吕美の绝叫が遮る。 
    眞一郎は『ちゃんと』するつもりだ。どんな形、どんな结果にせよ、约束を守って『ちゃんと』してくれる。 
    …………でも………… 
    眞一郎に『してもらう』のは、もう駄目だ。自分が……自分から『ちゃんと』しなければ!! 
    ………… 
    声の迫力に気圧されて绝句している眞一郎に、比吕美は静かに、だがハッキリと告げる。 
    「眞一郎くん……先に……私が『ちゃんと』したい」


    17楼2008-03-28 07:16
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      2025-12-06 08:02:25
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      70 :乃絵と比吕美のあいだに 13:2008/03/28(金) 00:02:53 ID:AvdoMVBI
      「眞一郎くん……私ね……」 
      比吕美は静かに、秘めていた想いを……本当の自分を眞一郎に向けて解き放ち始める。 
      夏祭りの日、见つけてくれたあの日から……眞一郎に頼りきっていた自分…… 
      それが当たり前なのだと、考えていた自分…… 
      何もしなくても、眞一郎が助けてくれると思っていた…ズルい自分…… 
      だから…眞一郎に何かをしてあげられる乃絵が嫌いだった。 
      『兄妹』かもしれない、という壁に阻まれている自分を尻目に、 
      どんどん眞一郎の中へ入り込んでいく乃絵が憎かった。 
      眞一郎が『乃絵となら飞べる』ことに、気がついてしまうのが怖かった。 
      ……置いていかれるのが……怖かった…… 

      「……比吕美…」 
      「4番にね…『仲上に付き合えと頼まれた』って闻かされた时……辛かった……死んじゃいたいって思うくらい…」 
      比吕美の部屋に、初めて眞一郎が入ったあの时……别の何かを期待していた。 
      でも裏切られて……自分の嘘が原因なのに……悲しくて…… 
      自弃になって……好きでもない人と付き合って…… 
      そうしたら、また眞一郎が远退いていって……もっと悲しくなって…… 

      「おばさんにお母さんの事で责められて……私、ホッとしてた……これで眞一郎くんから逃げ出せるって……」 
      「…………」 
      でも眞一郎は必死で追いかけて来てくれた……抱きしめてくれた…… 
      ……嬉しかった……嬉しかった…………本当に…嬉しかった…… 
      兄妹でも构わない、この人の侧にいたい……ずっと…ずっと一绪にいたい……そう愿った。 
      その后すぐ、血の繋がりなど无いと知らされて、想いは止まらなくなった。 
      でもまだ……自分から飞び込むのは怖くて……眞一郎に追いかけさせる、ズルいやり方を选んでしまった。 

      「胜ったと思ったの。石动さんから眞一郎くんの心を取り戻したんだって…………でも……违った……」 
      「…………」 
      部屋で二人になっても、海に散歩に出挂けても、……唇を重ねても……眞一郎の中から乃絵は消えなかった。 
      手遅れだったんだ……そう気がついても、待つことしか知らない自分には何も出来なかった。 
      そして麦端祭り…… 
      二人の绊を见せ付けられて……置いていかれて…………思い知らされた……。 
      自分で决める『フリ』だけして……全部、眞一郎に决めさせてきた……飞べない自分に罚が下ったんだって…… 


      眞一郎は身じろぎもせず、比吕美の想いを受け止めていた。 
      こんな自分に、眞一郎は真剣に向き合ってくれる……それだけで、比吕美の心は充分に満たされた。 
      ……あとは……この『想い』を……大きくて、持ちきれない……消せない爱を、眞一郎に……伝えたい…… 

      「こんなの……もう意味は无いんだって分かってる……でもね……やっぱり眞一郎くんに闻いて欲しい……」 
      比吕美の震える唇が、彼女の心の全てを载せた言叶を纺ぎだそうとする。 
      それは、比吕美が本当の意味で、自分の意志で道を选んだ瞬间だった。 
      「…………私…………私、眞一郎くんのことが!」 
      その时、话を闻いていた眞一郎が、比吕美との距离を一気に诘め、その身体を抱きしめた。 
      「!!!!」 
      抱拥で告白を遮られた比吕美は、刹那、绝望した。……自分は……想いを伝える事さえ许されないのかと……。 
      だが、悲しみに沈みかけた比吕美の心に、眞一郎の穏やかな声が、まるで福音のように响く。 
      「……その先の言叶……ちょっとだけ待ってくれ。……俺が、比吕美に『ちゃんと』してから……闻きたい……」 
      自分自身に向き合い、答えを见つけた比吕美を目にし、眞一郎は思った。 
      次は自分の番だと。比吕美に全てを……自分の全部を见せる! 
      ……そして、想いを伝えるのは……ふたり一绪でなければ意味がない。……そう、眞一郎は确信していた。


      18楼2008-03-28 07:17
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        71 :乃絵と比吕美のあいだに 14:2008/03/28(金) 00:05:41 ID:AvdoMVBI
        一旦身体を离し、比吕美の目を见つめ直すと、眞一郎は话し始めた。 
        「ここだよな。あの时の场所……」 
        その短い言叶だけで、比吕美には眞一郎が何を言いたいのか分かった。黙ってコクリと颔く。 
        「俺……ずっとお前に谢りたかった」 
        あの时のこと……ちょっとした悪戯のつもりだったのに……自分は比吕美の心を深く伤つけた。 
        …………泣かせてしまった………… 
        下駄を探しに行く事は许してもらえなくて……おぶって歩く力は、まだ无くて…… 
        どうしたらいいのか分からず……比吕美と同じように、片方を裸足にして歩くことしか出来なかった。 
        ……でも……比吕美はそれを喜んでくれた……笑ってくれた…… 

        「あの时……俺は决めたのかもしれない……比吕美を…ずっと笑颜にするんだって……」 
        「…………」 
        なのに……现実は逆だった。 
        笑颜になんて出来なかった……自分には何の力も无かったから…… 
        涙を流さず泣いている比吕美を、ただ见ていることしか出来なかった…… 
        本当は出来たのに……出来ないと思い込むことが、余计に比吕美を泣かせている事にも気づかなかった。 

        「そんな时に、アイツが…乃絵が现れたんだ」 
        「…………」 
        最初は変な奴だと思った。头がおかしいに违いないと。 
        でも、亲しくなるにつれて、深く话していくにつれて、乃絵への感情は変わっていった。 
        乃絵が口にした『飞ぶ』という単语が、心に引っ挂かった。 
        ……そして……比吕美に乃絵の兄贵が好きだと闻かされて…… 
        嫉妬して、苛立って、……でもそれが比吕美の望みなら、と思い直して…… 
        なのに4番との仲立ちをしても、比吕美は笑ってくれなくて…… 
        おまけに突然、比吕美と兄妹かもしれない、なんて言われて…… 
        自分の気持ちも、周りの状况も、どんどんグチャグチャになって…… 

        「混乱してる俺を见て、乃絵は『一绪に考えたい』って言ってくれた」 
        「…………」 
        その顷から、乃絵が自分に向けてくる感情に気づきはじめた。 
        自分のために用意してくれる弁当。自分のためにした比吕美との喧哗。 
        そして、それが确信へと変わったとき……自分が乃絵を大切に思っていることにも気づいた。 

        「俺は乃絵が好きなんだ…………そう…思うことにしたんだ……」 

        黙って耳を倾けていた比吕美の表情が昙り、唇が噛み缔められた。 
        自分はあと何度、比吕美を悲しませるのか……それを思うと、仅かながら决心が揺らぐ。 
        だが、これは避けられない事。比吕美と本当の意味で向き合う为には必要な事なのだ。 
        気持ちを奋い立たせ、眞一郎は话を続けた。 


        72 :乃絵と比吕美のあいだに 15:2008/03/28(金) 00:09:27 ID:AvdoMVBI
        「でもさ……お前を…お前を谛めることなんて、出来るわけなかった」 
        比吕美が4番のバイクに乗って消えた时……家を出るといった时…… 
        ……梦中だった。何も考えずに后を追った。 
        绝対に手放したくないモノ、それが何なのか……思い知った。 
        …………なのに………… 
        比吕美と気持ちが通じ合った后も、乃絵が自分の中から消えなかった。 
        自分は比吕美を一番大切に想っているはずなのに…… 
        ……どうしても……乃絵の事が头から离れない…… 
        自分の気持ちが自分で分からない……自分に向き合うことが出来ない…… 
        …………向き合うことが…怖い…… 

        「ちゃんとするって言ったのに、何もちゃんと出来ない。……でも……それは俺だけじゃなかった」 
        祭りの前夜、いなくなった乃絵を见つけた时……闻いてしまった。 
        自分は飞べない……そう力无く呟く乃絵の声を…… 
        「アイツは……とっくに気づいてたんだ、俺の本心に。そして乃絵も、决める事を怖がっていた……」 
        ………家に帰って考えた……比吕美のいた部屋で……考えて……考えて……考えて…… 
        ………… 
        「分かったんだ。俺が本当にしたいこと。俺がアイツにしてやれること。しなければならないこと」 
        ……それは自分が『飞んで』みせること…… 
        自分が何に向き合って、自分が何を选んで、自分が何を决めたのか……见せること。 
        乃絵自身にもそれが出来るのだと……飞ぶことが出来るのだと……彼女自身に分からせること。 
        ………… 
        ……约束を果たそう……そう思った。乃絵とした二つの约束を。 
        その时、『雷轰丸と地べたの物语』のラストが见えた。 
        麦端踊りの本番……乃絵のために、舞の全てに魂を込めると决めた。 
        乃絵のお阴で自分は飞べた!その事を见せたかった! 
        ……比吕美を伤つける……それを承知の上で…………その方法しか、自分には无かったから…… 


        黙って闻いていた比吕美の口から、吐息のように声が漏れる。 
        「……石动さんは……『飞べた』の?」 
        眞一郎は、优しい眼差しでゆっくりと颔く。 
        「……飞べた……俺も一绪に『飞んだ』。…………さよなら……したんだ。二人で」 
        乃絵との终焉を告げる眞一郎の言叶に、比吕美の心が激しく揺れる。 
        「俺は……不器用だからさ……乃絵と『ちゃんと』するまでは、お前と向き合えなかった……」 
        「…………」 
        消えると思っていた恋が……终わると覚悟してた爱が……また…繋がっていく…予感…… 
        比吕美は胸を震わせて、眞一郎の言叶を闻いていた。 

        「俺、『ちゃんと』した。……ちゃんと出来たんだ…… 
          だから……俺が何を决めたか、何をしたいか……お前に……比吕美に闻いて欲しい……」 

        一阵の风が吹きぬけ、竹のトンネルをサワサワと鸣らす。 
        その隙间から差し込む苍い月光が、両眼いっぱいに蓄えられた比吕美の涙を、キラキラと光らせていた。


        19楼2008-03-28 07:17
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          73 :乃絵と比吕美のあいだに 16:2008/03/28(金) 00:13:21 ID:AvdoMVBI
          「引越しの前に见た絵のこと……覚えてるか?」 
          身体を喜びで震わせながら、颔く比吕美。 
          忘れるはずがない。……比吕美が初めて目にした眞一郎の絵……とても奇丽な絵…… 
          赤く染まった空……とても広い空が、大粒の涙を流して泣いていた…… 
          そして、その空を见上げる少女の后ろ姿…… きっと……きっと泣いている…少女の…… 
          彼女は自分なのだと、比吕美には分かっていた。 
          何度も、何度も涂り重ねられた絵の具と纸の伤み具合…… 
          それが自分を见つめ続けてくれた、眞一郎の时间の长さを物语っていた。 
          书き添えられた文章も、ハッキリと思い出せる。 
          ………… 
          「……ぼ…仆の……中の…き、君は…………いつ……いつも泣い……グスッ………泣いていて……」 
          浮かんでくる言の叶を纺ぎだそうとする比吕美だったが、こみ上げてくる呜咽が、その声を诘まらせる。 
          眞一郎はその后を引き受け、自分の『想い』を比吕美に告げた。 
          「……君の涙を…………仆は…拭いたいと思う……」 
          比吕美の頬に眞一郎のしなやかな指が伸ばされ、零れ落ちる透明な雫を优しく拭った。 
          「……君の…………比吕美の…涙を……」 
          「!!!!」 
          互いの身体全体をぶつけ逢う様にして、眞一郎と比吕美は抱き逢った。 
          どちらからともなく求め逢う……相手の唇…… 
          溶け逢い、交じり逢う……眞一郎と比吕美の気持ち。 
          伝え逢う、お互いの存在と温もり…… 
          ……そして……二人の内侧からこみ上げ、溢れ出す、気持ち………… 
          「……比吕美…爱してる……ずっと、ずっと前から…お前が好きだった」 
          「……私も……私も…ずっと前からあなたが好き……眞一郎くん……爱してる……」 
          ………… 
          ………… 
          风に揺られる笹の叶の音が、柔らかいメロディとなって二人を包み込む。 
          世界が奏でる优しい音楽を闻きながら、眞一郎と比吕美は、时间を忘れて抱き逢った。 
          もう决して离さない……もう决して离れない…… 
          谁かにではなく、自分たちの心に宣言する揺ぎない决意。 
          …………二人で向き合い、二人で决めた………… 
          それが仲上眞一郎と汤浅比吕美が共に见つけた、『飞ぶ』ことの答えだった。


          20楼2008-03-28 07:17
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