羽生、“耐えて”つかんだ逆転优胜泽田亜纪の世界フィギュア男子解说构成:
スポーツナビ2014年3月29日 12:28
フィギュアスケートの世界选手権第3日は28日、さいたまスーパーアリーナで行われた。男子フリースケーティングでは、ソチ五轮金メダルの羽生结弦(ANA)が、フリー191.35点、合计282.59点で初优胜を饰った。羽生はショートプログラム(SP)3位からの逆転V。
2位はSP首位で世界选手権初出场の町田树(関大)。フリー184.05点、合计282.26点で、羽生に0.33点及ばなかったものの自己ベストを大きく更新した。3位はソチ五轮4位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)でフリー179.51点、合计275.93点。3周间前に今大会出场が决まった小冢崇彦(トヨタ自动车)は、フリー152.48点、合计238.02点の6位だった。
五轮1カ月后の今大会。各选手の戦いぶりを、元选手の泽田亜纪さんに男子シングルを解说してもらった。
羽生、今季初めて4回転サルコウ着氷
羽生选手はSPでは珍しい失败をして、今日は久しぶりに追う立场でのフリーでした。今シーズン最后の大会ですべてを出しきろうという気持ちが伝わってきましたね。冒头の4回転サルコウは着氷でこらえていましたが、よく耐えたと思います。スピードが出ていたり、高く浮いてしまったときなどに“こらえた”体势になることがあるのですが、足首とひざの柔软性を使って持ちこたえていました。この冒头の4回転サルコウは、今季ずっと失败していたので、今日は决めようという强い気持ちで临んだんだと思います。
それから2つ目のトリプルアクセルがこらえた形になっていましたが、その后は曲の盛り上がりとともにジャンプをバシバシと跳んでいました。SPは少し、「五轮王者だから」という気持ちが出たのか、守りに入った印象もありましたが、FSは攻める演技ができていたと思います。
采点表を见ると、3回転フリップにエラーエッジの「e」マークが付いています。エラーエッジが付くとマイナスを付けないといけないのですが、その后のジャンプがきれいだったらそれはそれで评価されるので、ジャンプ自体で少しリカバリーされた部分もあるかもしれません。それから3回転ルッツからの3连続ジャンプは、ルッツを着氷したところで诘まり気味になって、そこから1回転ループと3回転サルコウを付けました。普通はあの状态になったら连続ジャンプを谛める选手もいますが、逃げずに攻めていました。
町田、羽が生えたかような『火の鸟』
町田はきん差の2位。初出场で银メダル【坂本清】 町田选手は、SPとFSとほぼノーミスの演技。もちろん优胜を目指していたと思いますが、満足のいく结果だったのではないでしょうか。五轮では紧张もあったように见えましたが、今日のFS『火の鸟』では体もよく动いていて、まるで背中から羽が生えているような軽やかさでした。后半もバテそうにないくらい最后まで滑っていました。五轮が终わって、気持ちはいったん切れているはずなんですが、すごく心も体も気持ちの入った演技でした。(演技后のインタビューでは「来年はぶっ溃しに行きます(笑)」と今回优胜した羽生に向かって宣言したが)あんまりああいうことを言うのは闻かないですし、珍しいですね。でも悔しい気持ちもありつつ、羽生选手の方が后辈なのでああいう冗谈めいた言叶も言いやすかったのかもしれません。フィギュアの选手たちは、练习でもオフでも本当に仲が良くて、合宿でも1人ではご饭を食べないくらいですから。
急きょ出场の小冢 少ない准备期间、光った冷静さ
少ない准备期间で奋闘した小冢【坂本清】 小冢选手は后半、少しバテてしまったような感じがしましたね。补欠だったとは言え、出场することが决まったのは今大会の3周间前でした。选手はシーズンが终わると、次のシーズンへ意识がいってしまいます。小冢选手も(いったんはシーズンを终えた気持ちで)意识が完全に切れてから、気持ちを立て直してきたと思います。
最初の4回転はSPでは両足着氷になりましたが、FSはきれいに入っているように见えました。トリプルアクセルで手を付いてしまったりしましたが、よく最后まで滑り切ったと思います。3周间で意识を戻すのって、体も心も本当にキツいんです。演技终了后はバテバテな様子でしたが、准备期间の少なさを言い訳にせずに受け止めて试合に临んでいました。それは来シーズンへのバネになるのではないでしょうか。
それからジャンプをミスしたらどう构成を组み立て直すかの想定は各选手していますが、小冢选手は头の中にルールブックが入っているかのように、演技中の修正が得意な印象があります。ジャンプもそうですが、スピンでもここで回転が足りなかったから、あの场面で足そう……と言うような。今日もそういう场面がありました。中盘に入れたプログラム中2本目のトリプルアクセルからの连続ジャンプで、后半のジャンプを跳ぶ前に片足を氷に付いてしまったんです。予定外のことですが、でももし足を付いたまま2本目を跳ばないと、ルール上、トリプルアクセル1本分の得点も0.8倍に减ってしまう。だから连続ジャンプにするために少し无理やりにでも2本目を跳んでいました。结果的には连続ジャンプ扱いにはならず、得点は减ってしまいましたが冷静に判断していたと思います。
フェルナンデス、ホッとした后に落とし穴
フェルナンデス、4回転を决めるも…【坂本清】 フェルナンデス选手は、动きも良くて、4回転も3本跳びましたね。それで安心したからなのか、3回転ルッツが1回転になってしまったのが残念でした。3回転ルッツを跳んでいれば6点なのでもったいないです。2位の町田选手との差は6.33点なので、もしこれを成功させていれば顺位も违っていたかもしれません。ただ五轮ではジャンプの回数の“跳び过ぎ”で得点が无効になるミスがありましたが、この対策もしただろうなと思いました。练习してきたとおりの内容ができたのではないでしょうか。
フェルナンデス选手は、コミカルなジャンルと言いますか、楽しませる演技が得意です。今日の仕上がりも本当に良かったですし、あとは3回転ルッツが入れられていれば。4回転を1つのプログラムに3本も入れられる能力を持つ选手です。これが决まれば、次は表彰台の顶点に立つことだってできると思います。
ほかには、今季限りで引退を表明しているジェレミー・アボット选手(米国)やトマシュ・ベルネル选手(チェコ)が印象的でした。アボット选手はSPでは4回転で転倒してしまいましたが、FSはノーミス。静かなクラシックの曲ですが、FSの4分半を感じさせない演技でした。音楽はシンプルな音しかないはずなのに、まるで音が闻こえてくるような。集大成の大会ですべてを表现できていたのではないでしょうか。
得点については、技は悪くはないけど加点が付かなかったようですね。それは残念ではありますが、引退试合で、しかも世界选手権という大舞台で、ノーミスの演技ができるなんて、良い终わり方だなと思いました。やりきった様子で、うっすら涙が浮かんでいるようにも见えました。辛かったことを乗り越えたことなどを思い出していたのかもしれません。お客さんから大歓声を浴びていましたが、自国ではないのでびっくりしたかも。この様子を目に焼き付けていったのではないでしょうか。
ベルネル选手はSPは良かったのですが、FSは疲れからかミスが出てしまいましたね。良い演技を2本そろえるのは本当に大変ですから。それでも同じ时期に大会に出ていたこともあるので、思い入れのある気持ちで演技を见守りました。
私は引退试合ではないのですが、现役最后の全日本选手権の6分间练习で大泣きしていましたね(笑)。本番の演技の时间だけピタっと泣き止んで、终わったらまた泣いて。大ちゃん(高桥大辅选手)に笑われました。
コフトン、阎涵……成长著しい选手たち
来季の男子は、ロシアのマキシム・コフトン选手や、中国の阎涵(ハン・ヤン)选手といった、ともに18歳の选手たちも含めての展开になるのではないでしょうか。コフトン选手は1月のロシア选手権でエフゲニー・プルシェンコ选手を破って优胜していますし、本领発挥できれば今后もっと期待できると思います。阎涵选手は今大会はジャンプが抜けてしまいましたが、今までの中国男子选手たちと违って、踊れて、ジャンプもできる选手でこれからも楽しみです。
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