「自分は弱いね」「どうしてこんなに弱いのかな」。白鵬はよくそんな言葉を口にするのだと、トレーナーの大庭大業(ともなり)さんが近著『白鵬の脳内理論』に記している。黒星を喫したときに漏らす思いは謙遜でも何でもない▼
弱いと思うから横綱は稽古に向かう。「強い人が勝つのではなく、勝った人が強い」とも語っていたという。その言葉通り、勝ちへの執念を見せてくれた名古屋場所だった。けがで休場を重ねた後、進退を懸けた場所で全勝優勝した。堂々たる復活劇である▼
場所の序盤はハラハラさせられ、終盤は度肝を抜かれた。立ち合いの奇策やひじ打ちなど、横綱らしくないといえばその通り。しかしそれでも勝ちに行く姿を誰が否定できるだろうか。相撲が勝負である以上は▼
白鵬に敗れたとはいえ、照ノ富士も驚くべき復活となった。大関だったが病気やけがで序二段まで落ちた。約650人中の500番目くらいになり、給料も出ず、付け人もいない身に。それでも「元の位置に戻る」と自分に言い聞かせてきたという▼
後ろに下がらない。何があっても。そんな姿を今場所はずっと見せてくれた。千秋楽では張り手を連発する白鵬に、強く張り返した。14勝という文句のつけようのない形で横綱への昇進が確実になった▼
「竜虎」。2人の取組を見ながらそんな言葉が浮かんだ。思えば最近は、欠場で横綱の影が見えない場所が多すぎた。竜虎が相打つなか、他の力士が挑んでいく時代が少しでも長く続いてくれれば。
弱いと思うから横綱は稽古に向かう。「強い人が勝つのではなく、勝った人が強い」とも語っていたという。その言葉通り、勝ちへの執念を見せてくれた名古屋場所だった。けがで休場を重ねた後、進退を懸けた場所で全勝優勝した。堂々たる復活劇である▼
場所の序盤はハラハラさせられ、終盤は度肝を抜かれた。立ち合いの奇策やひじ打ちなど、横綱らしくないといえばその通り。しかしそれでも勝ちに行く姿を誰が否定できるだろうか。相撲が勝負である以上は▼
白鵬に敗れたとはいえ、照ノ富士も驚くべき復活となった。大関だったが病気やけがで序二段まで落ちた。約650人中の500番目くらいになり、給料も出ず、付け人もいない身に。それでも「元の位置に戻る」と自分に言い聞かせてきたという▼
後ろに下がらない。何があっても。そんな姿を今場所はずっと見せてくれた。千秋楽では張り手を連発する白鵬に、強く張り返した。14勝という文句のつけようのない形で横綱への昇進が確実になった▼
「竜虎」。2人の取組を見ながらそんな言葉が浮かんだ。思えば最近は、欠場で横綱の影が見えない場所が多すぎた。竜虎が相打つなか、他の力士が挑んでいく時代が少しでも長く続いてくれれば。
