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【小伙计的神】

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(一)搬运自“法亚在线日语”公主号
仙吉《せんきち》は神田のある秤屋《はかりや》の店に奉公している。
仙吉在神田的某家称店里当差。
それは秋らしい柔かな澄んだ陽ざしが、紺の大分はげ落ちた暖簾《のれん》の下から静かに店先に差し込んでいる時だった。
温润又澄澈的秋日暖阳透过褪色的藏蓝色布门帘照进店里。
店には一人の客もない。帳場格子の中に坐って退屈そうに巻煙草をふかしていた番頭が、火鉢の傍で新聞を読んでいる若い番頭にこんな風に話しかけた。
此刻店内一个客人也没有。掌柜坐在柜台里,百无聊赖地吸着烟卷,于是便和坐在火盆旁,正在看报纸的少掌柜聊起天来。
「おい、幸《こう》さん。そろそろお前の好きな鮪《まぐろ》の脂身《あぶらみ》が食べられる頃だネ」
“喂,阿幸,你最喜欢吃的金枪鱼,马上就到了肉肥的时候了哟!”
「ええ」
“嗯嗯。”
「今夜あたりどうだね。お店を仕舞ってから出かけるかネ」
“我看就今晚吧,铺子打烊后咱俩去吃一顿。”
「結構ですな」
“好嘞!”
「外濠《そとぼり》に乗って行けば十五分だ」
“乘坐外线去那家的话,也就十五分钟。”
「そうです」
“是吗?”
「あの家のを食っちゃア、この辺のは食えないからネ」
“就去那家吧,这附近时吃不到那么好吃的寿司的!”
「全くですよ」
“没问题!”


1楼2017-12-09 16:01回复
    若い番頭からは少し退《さが》った然るべき位置に、前掛の下に両手を入れて、行儀よく坐っていた小僧の仙吉は、「ああ鮨《すし》屋《や》の話だな」と思って聴いていた。
    在少掌柜身后的小伙计仙吉正襟危坐,两手规规矩矩放在围裙下面,听到二人的对话,心里暗想:“原来是那家寿司店啊!”
    京橋にSと云う同業の店がある。その店へ時々使いに遣《や》られるので、その鮨屋の位置だけはよく知っていた。
    和京桥的S 店是连锁的,仙吉经常被打发到那里出差。因此,对那家寿司店的位置再清楚不过了,但从来没吃过。
    仙吉は早く自分も番頭になって、そんな通《つう》らしい口をききながら、勝手にそう云う家の暖簾をくぐる身分になりたいものだと思った。他憧憬着能早日当上掌柜,便可以随意地坐在那样上档次的店里老练地聊着天。


    2楼2017-12-09 16:01
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      2026-01-09 04:52:18
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      「何でも、与兵衛《よへえ》の息子が松屋の近所に店を出したと云う事だが、幸さん、お前は知らないかい」
      “对了,听说与兵卫的儿子在松屋附近开了家分店,阿幸,你还不知道吧?”
      「へえ存じませんな。松屋というと何処《どこ》のです」
      “啊?这我还真不知道,松屋那地方在哪儿?”
      「私もよくは聞かなかったが、いずれ今川橋の松屋だろうよ」
      “具体位置我也不是很清楚,估计是现在叫川桥的地方吧。”
      「そうですか。で、其処《そこ》は旨《うま》いんですか」
      “是吗,味道好吃不?”
      「そう云う評判だ」
      “口碑还不错哟。”
      「やはり与兵衛ですか」
      “店铺名字还叫‘与兵卫’吗?”
      「いや、何とか云った。何屋とか云ったよ。聴いたが忘れた」
      “不是,叫什么来着?好像是叫什么屋, 我听说过, 但是忘了。”
      仙吉は「色々そう云う名《な》代《だい》の店があるものだな」と思って聴いていた。
      “那附近可是名店如云啊。”听了两位掌柜的对话,仙吉暗自感慨。
      そして、「然し旨いと云うと全体どう云う具合に旨いのだろう」そう思いながら、口の中に溜《たま》って来る唾《つばき》を、音のしないように用心しいしい飲み込んだ。
      不过转念又想,“要说好吃的话,究竟能有多好吃呢?”想到这里,令他顿时馋涎欲滴,然后又悄悄咽了下去。


      3楼2017-12-09 16:01
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        以上均搬运自“法亚在线日语”公主号


        4楼2017-12-09 16:02
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          それから二三日した日暮だった。京橋のSまで仙吉は使に出された。出掛けに彼は番頭から電車の往復代だけを貰って出た。
          过了两三天的某个傍晚,仙吉被打发去京桥的S 店出差。出门时,掌柜只给了他往返的车票钱。
          外濠の電車を鍛冶《かじ》橋《ばし》で降りると、彼は故《わざ》と鮨屋の前を通って行った。彼は鮨屋の暖簾を見ながら、その暖簾を勢よく分けて入って行く番頭達の様子を想った。その時彼はかなり腹がへっていた。
          乘外线在锻冶桥站下车后,他故意从寿司店门前经过,望着店门前的门帘,他想象着掌柜们掀开帘子,大摇大摆走进店里的情形,此刻,仙吉肚子饿得厉害。
          脂で黄がかった鮪の鮨が想像の眼に映ると、彼は「一つでもいいから食いたいものだ」と考えた。
          黄脂满溢的金枪鱼寿司的幻影出现在他眼中:“好想吃啊,哪怕就一口也好。”
          彼は前から往復の電車賃を貰うと片道を買って帰りは歩いて来る事をよくした。今も残った四銭が懐《ふところ》の裏隠しでカチャカチャと鳴っている。
          以前,仙吉总是花掉掌柜给的单程的路费,办完事后步行返回。这次剩下的四钱硬币正在衣兜里卡嚓作响。
          「四銭あれば一つは食えるが、一つ下さいとも云われないし」彼はそう諦《あきら》めながら前を通り過ぎた。
          “有四钱,能买一个来吃,不过‘请来一个’这样的话,真是令人难以启齿。”想到这里,他放弃了去买一个的念头,从店门前走了过去。
          Sの店での用は直ぐ済んだ。彼は真鍮《しんちゅう》の小さい分銅の幾つか入った妙に重味のある小さいボール函《ばこ》を一つ受取ってその店を出た。
          S 店的公差很快就办完了。仙吉跟店员要了一个精致结实的厚纸板箱,装着几颗沉甸甸的黄铜小砝码,走出了店。
          彼は何かしら惹《ひ》かれる気持で、もと来た道の方へ引きかえして来た。そして何気なく鮨屋の方へ折れようとすると、ふとその四つ角の反対側の横町に屋台で、同じ名の暖簾を掛けた鮨屋のある事を発見した。彼はノソノソと其方《そっち》へ歩いて行った。
          仙吉鬼使神差般,顺着来时的路返回去了。正想假装若无其事拐进那家寿司店时,突然,在十字路口对面的街上,他无意间发现一家挂着同样招牌门帘的寿司店。仙吉不紧不慢地朝那家店走了过去。


          5楼2017-12-18 18:21
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            若い貴族院議員のAは同じ議員仲間のBから、鮨の趣味は握るそばから、手《て》掴《づか》みで食う屋台の鮨でなければ解らないと云うような通《つう》を頻《しき》りに説かれた。
            年轻的贵族院议员A 常听同事B 议员乐此不疲地说过,怎么吃寿司最过瘾:站着用手抓起新鲜出炉的寿司放入嘴里,才能真正体会寿司的美味。
            Aは何時《いつ》かその立食いをやってみようと考えた。そして屋台の旨いと云う鮨屋を教わって置いた。
            A 询问了到底哪家店最好吃,想找个时间亲自体验一下站着吃寿司的感觉。
            或日、日暮間もない時であった。Aは銀座の方から京橋を渡って、かねて聞いていた屋台の鮨屋へ行って見た。
            一天,夕阳西下不久,A 从银座渡过京桥,进了那家早就打听好的寿司店。
            其処には既に三人ばかり客が立っていた。彼は一寸躊躇《ちょっとちゅうちょ》した。
            里面已经有三个客人了。他略作踌躇,然后下定决心,掀开门帘钻了进去。
            然し思い切ってとにかく暖簾を潜《くぐ》ったが、その立っている人と人との間に割り込む気がしなかったので、彼は少時《しばらく》暖簾を潜ったまま、人の後《うしろ》に立っていた。
            考虑到不要挤到站在前面的几位客人,A 在门帘下方、客人们身后站了好一会儿。
            その時不意に横合いから十三四の小僧が入って来た。小僧はAを押し退《の》けるようにして、彼の前の僅《わずか》な空《す》きへ立つと、五つ六つ鮨の乗っている前下がりの欅板の上を忙しく見廻した。
            突然,一个看上去只有十三、四岁的小伙计从旁边插了进来,占了A 前面仅有的空位置,似乎成心要把A 挤到后面般,两眼咕噜噜地盯着摆在厚厚的櫸板上的五六个寿司。
            「海苔《のり》巻《まき》はありませんか」
            “有紫菜卷的吗?”
            「ああ今日は出来ないよ」肥った鮨屋の主《あるじ》は鮨を握りながら、尚《なお》ジロジロと小僧を見ていた。
            “哎哟,今天还没做呢。”肥胖的店老板一边捏着寿司,一边斜着眼睛打量着这小伙计。
            小僧は少し思い切った調子で、こんな事は初めてじゃないと云うように、勢よく手を延ばし、三つ程並んでいる鮪の鮨の一つを摘《つま》んだ。
            为表明自己不是头一次来这种店就餐,小伙计鼓足勇气,故作老练地伸手从并排摆放的三个金枪鱼寿司中拿起一个。
            ところが、何故《なぜ》か小僧は勢よく延ばした割にその手をひく時、妙に躊躇した。
            然而,不知为何,取回来的时候,他显得很犹豫,全然没有了刚才那股架势。
            「一つ六銭だよ」と主が云った。
            “一个要六钱呢!”店老板说。
            小僧は落すように黙ってその鮨を又台の上へ置いた。
            垂头丧气的小伙计沉默了片刻,将寿司又放回原处。
            「一度持ったのを置いちゃあ、仕様がねえな」そう云って主は握った鮨を置くと引きかえに、それを自分の手元へかえした。
            “拿过去了又放回来,这算什么事?真没办法!”说完,店老板把小伙计拿过的寿司挑了出来,放到自己手边。
            小僧は何も云わなかった。小僧はいやな顔をしながら、その場が一寸動けなくなった。然し直ぐ或勇気を振るい起して暖簾の外へ出て行った。
            小伙计一言不发,虽然面露难色,但仍站在原地,一动不动。可没多久,他便勇气十足地掀开帘子,走了出去。
            「当今は鮨も上りましたからね。小僧さんには中々食べきれませんよ」主は少し具合悪そうにこんな事を云った。
            “现在就连寿司也涨价,小学徒这样的人又怎么能吃得起呢。”店老板语气略带不快地说道。
            そして一つを握り終ると、その空《あ》いた手で今小僧の手をつけた鮨を器用に自分の口へ投げ込むようにして直ぐ食って了《しま》った。
            刚捏好一个寿司,他就用闲着的另一只手拿起刚才被学徒拿过的寿司,迅速地丢进自己的嘴里。


            6楼2017-12-18 18:21
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