一瞬にしてゴシック浪漫な雰囲気へ
会场の空気を変えてくれた北出菜奈のステージ。
二番手に登场したのが、北出菜奈さん。彼女の登场と同时に、「菜奈さぁ~ん」「可爱いぃ~」 と同性の女の子たちからの声が飞び交っていく。 この日の冒头を饰ったのは、ハード&ダイナミックなサウンドが炸裂した『dark snow angel』。舞台最前列へ阵取った女の子たちは、思いきり拳を振り上げながら热狂していく。もちろんステージ上の菜奈さんも、マイクスタンドを前后に揺らしながら、缓急表情豊かな楽曲のウネリに身を预けるよう、シャウトしたり抜いた声で优しく呗いかけたりと、エモーショナルな风景を舞台上に描き出していく。大サビ时には、ステージ最前まで身を寄せ、少しでも観客たちに触れようとしていく场面も。
アバンギャルド&破壊的な音を奏でるアウトロでの、忧いを持った彼女のスキャット声の魅力。その幻惑的な雰囲気へ続くよう、きらびやかながらもハードな音色を持ったスタイルへアレンジされた、シンディ・ローパーのカヴァー・ナンバー『She Bop』を演奏。原曲の倍近くはアップしたテンポとハードさ。ゴスハードな姿へ変貌した『She Bop』を、ときにはヘドバンしながら。ときには大きく身体を揺らしながら、何処か大人のエロティックさを漂わせつつ表现していく菜奈さん。この会场を、一気に幻想浪漫な世界へ染め上げてゆく様は、とても魅力的だ。
「今日はこういう最新锐な形の建物の中で歌わせていただいて、光栄です。その人の心とか记忆の中に、小さい真っ赤な血の色よりも赤い蔷薇の花の种を入れたいと思いました。それを家に持って帰って育ててくれたら嬉しいです」
続いて流れたのが、最新シングル『PUNK&BABYs』。情热的なメロディと歌谣ロックした曲调から始まった演奏は、次第に加速度を上げ、サビでは一気にパンキッシュな姿へ変貌を遂げていく。なんて妖しいドラマ性を持った楽曲なんだろう。菜奈さんも、スタンドから外したマイクを握り缔めながら、思いきり身体を揺らしつつ热唱していく。そのパワフルな姿と楽曲は、会场をロックなライブハウス・ムードへ染め上げていった。 その激しい势いのまま演奏は、荒々しくも开放的でロックイズムあふれるナンバー『消せない罪』へ。その豪快なウネリへどっぷり身を预け、热狂していく北出菜奈ファンたち。舞台上の彼女も、ダイナミズムな演奏に酔いしれながら、セクシーなポーズ混じりに歌いかけてゆく。その独特なたたずまいとステージングは、ホント観るたびに惚れ惚れとしてしまう。
「この间ドイツに行って歌ってきたんだけど。でも日本でも、もっともっと呗いたいと思ってる。言叶の通じない国で呗うのも大事だけど。言叶や想いの通じる国で呗うのも大事なこと。みんなにこうやって想いが深く伝わってくれればいいなと思っています」
最后に奏でたのが、幻想ハード浪漫な世界を描きあげた、まるで1本の映画を凝缩したよう缓急多彩なドラマを诘め込んだナンバー『Lamia』。雷鸣轰くイントロから始まり、哀惜な表情を魅せたかと思ったら、涙腺刺激するロマネスクな风景も描いたりと、演奏が进むごと次々といろんな场面を、その歌声を语り部にしながら目の前に描き出していく菜奈さん。スケール感あふれるドラマ性を持った表情を描きあげてゆく手腕と表现力こそ、北出菜奈さんの绝対的な持ち味なのは间违いない。今やゴスロリ界という枠を超え、大势の女性や、ハードロマンな音楽好きたちから多々シンパを集めている理由も、わかる気がする。まさに独特な色をたくさんの人たちの脳裏へ映し出したステージだった。
最后は司会者の方とのトークで、最新シングル『PUNK&BABYs』に込めた 「すごく大事なものを守り通す気持ち。大事なものを失ってはいけない。自分に甘えちゃいけない、自分に负けちゃいけないと思って作った曲です」 という想いを告白。いつも自分と真挚に向き合っている菜奈さんらしい発言ですよね。
