4/8~4/24
4月8日
晴れ。明け番で朝帰宅。水谷氏が暇乞いに来られる。忠内氏もご一緒に、吉松氏の頬(※組)の者が誘いに来たので、4つ時頃(※午前10時)より東寺見物に出かけた。杜若(かきつばた)が花の盛りだった。それから、伏見稲荷神社の神幸祭で御旅所(おだびどころ)へ向かう五基の神輿を見物した。実に美しかった。その後、西本願寺を参拝して、西本願寺の境内にある飛雲閣を見物。太閤秀吉の茶室の他、名人の書画がたくさんあった。最も広大なり。9つ時(※昼12時)過ぎに帰宅。父上は御稽古で御出勤。風呂をたてる。三橋氏と戸田氏と忠内氏がお出でになる。中野氏もお出でになった。父上は夕方御当番。夜になって寅三郎殿がお出でになった。
同9日
天気。朝5つ時(午前8時)前に忠内氏の所で会合があった。今日はお城の供回りとして出勤。上様は4つ半時頃、中川宮(※中川宮朝彦親王)の屋敷へお成りになる。その後、近衛殿(※近衛関白)の屋敷にもお成りになった。7つ時(※午後4時)過ぎに御帰城。武者小路通りの小間物屋で一休み、どじょう汁や煮しめを出してくれた。帰りに魚屋によって鯛を購入。代金は2匹で1分。父上も御共で御出勤。この日、脇坂候(脇坂淡路守安宅)がお立ちになる。
同10日
晴れ。朝、父上は金毘羅(※安井金毘羅宮)へ参詣。中根氏も同行なさった。朝稽古に出る。父上も一緒に朝稽古にお出になる。稽古の後、忠内氏の所へ風呂に入りに行く。みごとなる桃の菓子を拝領したので忠内氏に差し上げる。吉松氏から先日のお礼(※4月6日にお酒をふるまった件か)として鯛が届いたので夕飯に食す。
同11日
朝当番で出勤。浅井氏も同行。御徒目付部屋に参上。三郎と筒井氏は夕番。自分は7つ時(※午後4時)に帰宅。脇差を買い求める。
同12日
晴れ。父上は御当番。三郎と筒井氏は明け番。手嶋厚之助殿(京都の町与力の息子)より鶏肉が到来。お返しに小菊紙(※上質の懐紙)を3帖(※30枚)を遣わす。稽古に出る。午後、筒井氏と一緒に大丸及び四条通りへ買物に行き、7つ時頃帰宅。夕方、忠内氏がお出でになった。明日は上様が宇治へお成りになる予定だったが延期になったとのこと。
同13日
晴れ。父上は明け稽古に出席。午後、二条城へ学文(※意味不明)にまかり出たが延期になっていた。成瀬氏の所へ入浴に行き、それから湊氏の所へ股引きを借りに行った。中野氏から鯨肉が到来。夕方、忠内氏の所へ行った。
同14日
晴れ。早朝、父上ならびに私ども4人は、忠内氏、木戸氏、三枝氏と一緒に比叡山へ登った。八瀬の上り口から、登り道がわからなくなって難儀した。それから、やっとのことで黒谷清龍寺にたどりつき、根本中堂(※比叡山延暦寺の中で最も重要なお堂)と開山堂を見物してから下山した。
比叡山の門前町である坂本では、山王祭の最中で、近くの村や里から大勢が集まりとても賑やかだった。甲冑(※甲冑を着けての武者行列か)がたくさんあり、神輿はとてもきれいだった。唐崎神社で参拝して唐崎の松(※近江八景の1つ)を見物。実に広大。帰りは山中村を通り、白川越を過ぎて、鴨に出た。□□(※虫食み)町で鯛を三匹買って、忠内氏と木戸氏に一匹ずつ差し上げる。7つ時(※午後4時)頃帰宅。
同15日
晴れ。朝稽古に出る。帰ってから加藤氏の所へ行く。8つ時過ぎから湊氏の所へ行き、しるこを馳走になり、風呂へ入ってから帰宅。その後、当番で出勤。児玉氏がおいでになる。今掘氏から鯛が到来。加藤氏からも焼鯛が到来。御手伝扶持を受け取る。5両□(※虫食み)朱。
同16日
朝稽古に出て帰宅。池田甲斐守殿の所から迎えの人が来たので稽古に出向いた所、同勤の方が4、5人来ていた。榊原氏も大前氏も出席。浅井氏は大前氏と、私は榊原氏と試合をした。三橋雙三殿が卵を持参しておいでになる。三枝氏も来た。梅干少々到来。父上は夕番で御出勤。
同17日
朝、お城へ稽古に行く。七本ほど試合。9つ時に帰宅。三木氏が阿州(※徳島)から江戸に下られたとの由。昼食後、浅井氏、筒井氏、三郎と共に外出。風呂を立てる。三橋氏がおいでになる。中根氏も来られた。稽古着が出来あがった。三橋氏から味噌1升と赤貝7つ(※赤貝を食べた八郎は食あたりでダウン)到来。お礼に菓子を進呈。小川氏、柴山氏、両氏から菓子到来。湊氏の所へ行く。「古文真宝」(※漢詩・文章集)を購入。代金300胴(※1両の40分の3)。
同18日
雨。昨夜から体調不良の上、今朝は殊のほか気分が悪く、終日床に伏せった。
同19日
晴れ。さらに体調が悪化したので今日の当番をお断り申し上げる。中根氏が見舞いに来て下さる。医者も来た。今日から薬を飲むことになる。湊氏から鮑が到来。吉松氏、三橋氏、三枝駒氏がお出でになる。
同20日
晴れ。忠内氏から煮豆到来。他に、木戸氏からカステイラ、三枝氏から雪おこし、戸田から羊羹が、それぞれ見舞いで届く。「墨場必携」を1分2朱で買い、ちぢみの単衣を買い求め、関ノ兼■(虫食み)の脇差を1両2分2朱で購入。
同21日
晴れ。早朝、父上は明け番で帰宅した後、戸田氏父子、今堀氏、湊氏と一緒に嵐山辺りへお出かけになった。浅井氏と近藤氏は連れ立って御城学問に出勤。気分がかなり良くなった。父上が桂川で捕られた鮎を持参して戻られたので清水氏へ少し差し上げた。
同22日
晴れ。父上は朝から御城の御稽古で御出勤。近藤釜五郎殿がカステイラを手土産にお出でになる。この宿の主である鈴木氏(※京都ニ條所司代屋敷北の定番組屋敷・鈴木重兵衛)から菓子が到来。風呂をたてる。三橋氏がお出でになる。葛が到来。加藤氏より肴が到来。中根氏がお出でになる。不破氏から蜆が到来したので、お返しに菓子を差し上げる。忠内氏がお出でになる。隣家からしるこ少々到来。近鐘氏もお出でになった。
同23日
曇り。当番で浅井氏と三郎は出勤。自分は今日も休み。父上は午後から大丸へ買物に出かけられた。大淵氏が見舞いに来て下さった。扇屋が来たので、鉄扇3本、平骨の扇3本、澁扇1本を買い求めた。代金は2分。忠内氏と児玉氏の2人からにしめが到来。天野氏と梶原氏が見舞いに来て下さった。児玉氏にお返しとしてカステイラを差し上げる。戸田氏ににしめを少し差し上げた。父上は大丸で反物を色々と整えられ、私の単衣物も求められた。
同24日
晴れ。病は大いに良くなった。浅井氏と筒井氏は明け番。父上は御稽古で外出。呉服屋が来たので浴衣と袱紗を買い求める。中川氏より花菖蒲(はなしょうぶ)到来。戸田氏より煮豆到来。三枝氏と近鐘氏がおいでになった。父上は御当番。弁当料として1分124文を受け取る