多くの生物は左右対称のからだの構造をもっている。私たち人間の顔の作りや手足なども、鳥の羽や昆虫の手足や羽も、左右対称になっていることが多い。これらの構造は、理想的には対称になるはずなのだが、実際は、細かく見れば本当に対称ではない。たとえば、誰の顔を見ても、目、鼻、口、眉の造作に( ① )。
FAとは生物からだのいろいろな部分の対称性が、理想的な対称から微妙にずれている度合いを表す。これが、行動生態学とどんな関係があるのだろう?手足や顔のような左右対称の構造は、本来、遺伝的にはきっちり対称になるように設計されているはずだが、発生の途上のさまざまな悪条件や事故、疾病などによって、本来の完全な対称性は達成されないことが多い。
そこで、②これらの構造に関して、きちんと対称になっている個体がいたとしたら、その対称性は、発生途上の厳しい条件にもかかわらず達成されたのだから、その個体が遺伝的に非常に強いことを物語っているのかもしれない。そうだとすると、③雌は、配偶者の選り好みをするときに、雄の形質の対称性のゆらぎに注目しているかもしれないのである。