小野寺:とりあえず2周间、多分、もたない。なんとなくわかったこと。エメラルド编集部は、変人の集合体らしい。他编集がみな避ける。少女漫画に対して颇る情热を持っているらしい。情热? あ~确かに情热的だ。自ら体张ってモデルになるくらいだもんなあ。あぁ……。まさか初日にセクハラされるとは、思いもしなかった。胃が痛い。文芸をやりたかったのに。宝物にしたくなるような本を作りたいだけなのに。父亲が出版社の社长ということもあってか、昔から本が大好きだった。だから、なんの他意もなく、亲の会社に入社した。入ってすぐに大物作家の担当になり、プレッシャーはあったが、うれしかった。でも、本を作ることは、思ったよりもずっと时间がかかる作业で、特にハードカバーは、一册一册が芸术作品みたいなものだった。作家との打ち合わせ、デザイナーとの相谈。表纸はどんなイメージで、帯は? 栞は? 何色にする? そうやって心を込めて作った本が売れることは、何よりの幸せだった。それだけだったのに。
编集1:また今月の一位、小野寺の担当だって。
小野寺:んん?
编集2:ウソっ、またっ?
编集1:つ~かコネ入社ってマジ楽でいいよなあ。
小野寺:はっ…!
编集2:言えてる。うちらと违って新人のクセに、いきなり大物作家担当じゃん? こっちはいくら顽张っても下っ端しか担当させてもらえないのにさあ。ズルイよねえ。
编集3:売上だって、あれ作家と営业のお阴じゃん。
编集1:何もできねえクセに、原稿入稿しただけで评価されるのって、わけわかんねえし。
编集2:やってらんないよねえ。
编集3:ねえ。
小野寺:决して…、决してコネで入ったつもりはなく、自分なりに必死で顽张っていたつもりで…。昔の自分なら、ショックで立ち直れなかっただろう。でも俺はこのときから既にネジ曲がっていたので、だったらこんな会社とっとと辞めて、他社でミリオンセラー本作ってやればいいんだろう~っ!! と、逆ギレした。ああ。我ながら性格が歪んでるとは思うが、いや、これだって别に好きでこうなったわけじゃない。先辈が、好きなんです。あの时から、物事は、まず最初に最悪の结末を考えるようになった。そうすれば、现実で多少伤ついたとしても、それが深手になることはない。っだあ~はあ~!! いかんいかん!! もう颜すら忘れた人间のことなんか考えるなっ! 问题は、次の就职先のため、いかに上手くここを辞めるかだ~っ!
高 野:おい。
小野寺:はいぃっ! あっ、あぁっ…、入稿、终わったんですか?
高 野:お阴さまで。
小野寺:おいっ、さっきのキスは谢罪もなしかよ。
高 野:ふうっ…、さっき上司に确认したんだが、あんた、小野寺出版の御曹司なんだ?
小野寺:うっ…、会社と俺は関系ありません。
高 野:文芸希望がうちに配属されたの、不満?
小野寺:え~、思いっ切り! いえ、なんというか、その、少女漫画って、いわゆる恋爱重视じゃないですか? そういうの、自分はあまり得意じゃないというか、良いイメージを持って无いというか…。そもそも恋爱とかよくわかんないんで。
高 野:やる気ねえなら、邪魔だから辞めてくれ。
小野寺:うっ…!
高 野:世の中、好きなことを仕事にできるやつなんて、どんだけいると思ってんだよ。
小野寺:それはっ…!
高 野:谁だって最初は素人なんだ。
小野寺:あっ、あれっ? ひょっとしてこの人、俺を励ましてくれているのか?
高 野:ま、使えねえやつは何しようと使えねえが…。
小野寺:ブチ杀す!
高 野:他のやつら今日はもう帰ったから、あんたも帰っていいし。
小野寺:お~の~で~ら~です。
高 野:あのさぁ。
小野寺:はいぃ?
高 野:オマエと前に、どこかで会ったっけ?
小野寺:さあ…。