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黄昏時のドッゲタグ
日没が早くなつた。
ドッグタグのマスター·澁川源伍は、力ウンターのなかでグラスを磨きながら、そんなことを思う。
店内は無人だ。黄昏を超える時間、歌舞伎町を訪れる人は茶店より酒場を好み、アルコールを扱わない澁川の店は街の賑わいから隔離される。
それでも、澁川が店を閉める様子はない。
まるでまだ客があることを確信しているように。
「あら。閉店だったかしら」
珍しい時間に訪れた客は、無人の店内を見て戸惑うように呟いた。
「いいや。まだ営業中だ」
淡々とした答えに、客——羽鳥朝子が小さく笑う。
「よかった。なんだか、邪魔しちゃった気がしたから」
「気にしなくていい。いつもと同じでいいか?」
「お願いします」
朝子は慣れた様子でカウンタ一席に座り、盛大な溜息を落とした。
「……はあ。……ようやく休みなのね」
「…………疲れているようだな」
「今年は3年生を持ったから、色々覚悟していたけど。だから顧問も持たなかったし。でも、今週は本当にもう、嵐みたいな日々で……」
「嵐、か。それは人と人が触れ合うには少し、激しい風だな……」
過去の嵐に思いを馳せ、澁川が軽く目を閉じる。
朝子は聞いてない。
「水曜に転入生が来たと思ったら、木曜には転校しちゃうし。スペインからの帰国子女だったんだけど、転出先も転入先も海外で、書類の手続きだけでも忙しくて。担任の私がこうなんだから、当事者である彼女はもっと大変よね。未成年だから仕方がないとはいえ、こんな時期に両親の都合で行ったり来たりなんて、……かわいそうだわ」
立て板に水を流すように話じていた彼女が、不意に黙り込む。
結局、家の都合に翻弄される生徒を心配しているのだ。
「人にはそれぞれ事情がある。彼女が納得しているなら、おまえが気を揉む必要はない」
「……そぅね」
朝子は束の間口を閉じ、それから唐突にカウンターに突っ伏した。
「それにしても本当、今週はきつかったわ。なんだかんだで月末の期末テス卜の準備も全然できなくて……やることが山積み過ぎるのよ。だから家に仕事を持ち帰る羽目になって、結局毎朝遅刻することになるんだわ。ああもう、情けないったら!」
頭を抱えて起き上がったかと思えば、弱音と同時に改めてカウンターに沈む。
漩川は忙しなく動く朝子の様子にわずかに苦笑を浮かべると、彼女が起き上がってもぶつからない程度の距離を置いて、淹れたての珈琲を差し出した。
「楽しそうだな」
「え?」
馥郁とした香りに誘われて顔を上げた朝子が、漩川を見る。
「充実してると顔に書いてある」
「だって私、教師になるのがずっと夢だったもの。昔、亡くなった母が、父と結婚する前まで教職に就いていたと聞いで……私は母のことをほとんど知らないから、せめて同じ道を歩んでみたかったのね。……ふふ。改めて考えると、不純な動機だわ」
カップを手に取り、彼女は話を続ける。
「でも、今は違う。実際に教師になってみて、子供たちの成長を見守るうちに、もしかしたらこの道は母が導いてくれたものだったのかもしれないって、そう思うようになったから。だから今はとても充実しているの。まだまだ半人前で、ドジばかりだけど……」
そこまで言って、朝子はコーヒーをロに含んだ。
漩川はそんな朝子を眺め、彼女が息をつく間だけ待って問いかけた。
「今日は……待ち合わせが?」
「ううん、買い物と気分転換。この店は静かでほっとするから、つい寄ってしまって」
静かと言われて、漩川の口元に苦笑が浮かんだ。
「最近はそうでもない。ここも、随分と若い力が集うようになった。少しにぎやかすぎる気もするが、……悪くない」
悪くない、という言葉の響きに、朝子は小さく微笑む。
——と。小さな音がして、店に二人目の客が訪れた。
「夜勤明けだというのに結局こんな時間か。どうなっているんだ、まったく」
疲れた顔でつぶやくのは、新宿署の刑事富樫花子だ。
「上は相変わらず情報を降ろさない、部下は部下で要領を得ない……あのパカロ!」
「は、花さん、落ち着いて」
名前で呼ばれた富樫は、瞬間、声のした方に鋭い目を向けたが、相手が朝子であることを確認するとあきらめたように嘆息した。
「名前で呼ぶなと言っているんだ」
「あら。……ふふ。そうだったわね」
「まあいい。どうせだれもいないしな」
言って、富樫は朝子の隣の席に座る。
「お仕事、大変なの?」
「ああ、色々ある」
朝子の気遣わしげな問いに答えながら,富樫は店内に視線を巡らせた。
「愚痴なら聞くわよ。いっも私が聞いてもらってばかりだし」
「気持ちはありがたいが、吐きだせるものでもない。私の仕事は言えないこと多いからな」
「そっか。……そうよね」
眉を曇らせる朝子に富樫の視線か止まる。けれど、彼女が何かを言う前に、視界を遮るようにカップが差し出された。
「思うように愚痴もこぼせない仕事は大变だな」
「構わない。好きで選んだ道だ。ところで……」
澁川が出すコーヒーを受け取りながら,富樫はもう一度店内を見る。
その癒しを求める視線に反応したのか
先程までくつろいでいたパセッ卜ハウンドが彼女の足元に移動した。
「マスター。カナエさんを抱き上げても?」
「構わない。カナエさんも、そのつもりでおまえの側に行ったんだろう」
澁川の答えを聞くなり、富樫は足元のバセットハウンド——カナエさんを抱き上げる。抵抗しない中型犬を膝に乗せ、もふもふした毛に心ゆくまで顔を埋めた。
「おやおや、随分珍しい光景じやないか。」
「ま、牧村先生?!」
「牧さん!」
突然響く声に、カウンターに座る二人がほほ同時に三人目の客の名前を口にする。
最後に店に来た客——牧村久榮は僅かに目をすがめた。
「仕事の時間は終わっているはずなんだけどね、羽鳥先生」
「あ。お、お疲れ様です、久榮さん」
言いなおす朝子にお疲れ、と軽く返し、久榮は富樫の隣に座った。
「まさか《鬼の富樫》が動物好きとはね」
「からかわないでください、牧さん」
手を伸ばして来る久榮からカナエさんをかばいつつ答える富樫に、朝子が目を丸くする。
「二人とも、知り合いだったの?」
この質問には富樫が答えた。
「前に、パ一で知り合ってな。ざると言うよりワクみたいな飲みっぶりだったから、忘れた<ても忘れられないだけだ」
「つれないねえ。朝まで飲み明かした仲じやないか」
「ウワパミだと知っていたら付き合し、ませんでした」
言い切る富樫を愉しげに見る久榮にもコーヒーが用意される。
「ああ。いい香りだ。……しかし、まさかと思って靦いてみたけど、いい歳をした女が二人もそろって何をやっているんだか。今日は週末だぞ」
「自分は明日も仕事ですから」
「公僕は大変だねぇ、花?」
「あなたも同じでしよう!」
言いかかる富樫を片手で制し、久榮は澁川に話題を振った。
「こいつらずっとこんな感じなのか?」
漩川は答えない。この場合、沈黙は肯定だ。
「まったく。おまえら色気がなさすぎるんじやないか。そうだ朝子、お前七代とはどうなってる?もう風呂くらい覗かれたか?」
「な、な、何を言うんですか牧村先生!じ、自分の生徒をそんな」
慌てる朝子の横で、富樫が不意に刑事の顔になる。
「七代か……要注意人物だな」
「お。花もそう思うか?あいつおとなしい顔をしてるけど、絶対ムツツリだよな」
「そういう意味では……」
予期せぬ解釈をされて慌てる富樫の肩に、久榮の腕が回された。
「まあまあ、三人揃ったのも何かの縁だ。ここは親睦を深めるために、お決まりの場所へ行こうじやないか。ほら、朝子も」
「え、ええ?」
展開の早さに哂然とする朝子と、諦観する富樫を連れて店を出ようとした久榮は、ふと店内に視線を向ける。
「マスターもどうだい?じきに閉店だろぅ?」
澁川は答える代わりに笑うと、静かに首を横に振った。
無人になった店内に、街の喧騒が遠く響く。
この店を通して出会う人々の、当たり前の日々を懸命に生きる姿は、澁川に生きる意味と温かさを教えてくれる。
だから彼は、この店を続けているのかも知れない。
たとえ、望む相手に二度と会うことが出来ないとしても。
「カナエさん。もう少し、店を開けておこうか」
入口近くに座るカナエさんにそう告げると、澁川はカウンタ一に残された食器を片づけ始めるのだった。


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