阳が沈み、夜が来るまでの一瞬の空の色。
それは深く、深く、苍色の空。
その下で伫む死神の姿があった。
死神はいつも一人だった。
死神はいつも空を见ていた。
死神はいつも日が沈む时间に现れた。
死神が现れると、人々は颜を颦め、家の中へと身を潜めた。
死神は畏れられていた。
死神は终わり。人は终わることを嫌っているからだ。
それに対し、死神は何の感慨も涌かなかった。
人は死神を畏れ、远ざかる。
それは当然のことなのだと。
毎日が同じ事の缲り返しだった。
きっと、それはこれからも永远に続くのだろう。
町にある时计塔を见上げながら死神は思った。
しかし、その日は少しばかり违っていた。
空を仰ぐ死神に、一人の旅人が声をかけてきたのだ。
「お前は私が怖くないのか?」
死神は臆せず自分の前に立つ旅人を不思议に思った。
「贵方が死神ならば、贵方は私の命を今ここで夺いますか?」
「私が死神であるならば、私はお前の命を夺うのだろう」
「それは困りました。それでは私の旅がここで终わってしまいます」
旅人である少女に死神は问うた。
「何故、旅をする?」
少女は答えた。
「私は世界で最も美しい言叶を探しているのです」
「美しい言叶、それは诗か?」
「私が求めるのはもっと単纯なものです」
「では、爱か」
「いいえ」
死神の言叶に少女は首をふる。
「爱?平和?正义?违う。
それらのどれもが私の心を打ち响かせない。
私が探しているものは、唯一であり、绝対であり、永远であるもの。
世界の全てが认める、
そして共有することが出来る美しい言叶」
「そんなものがこの世にあるというのか?」
「分かりません。だから、私は探すのです。
どこまでもどこもでもどこまでも……
この世界全てを巡り、答えに辿り着くまで」
死神には少女の言叶が途方もない幻想のように思えた。
「死神よ。もしも贵方が私の命を夺うというのならば、
くれてやっても构いません。
ですが、どうかこの旅が终わるまで私の命を夺わないで下さい」
少女は自らの姿を隠していたロープを脱いだ。
薄汚れたドレスを身に缠っていたが、それはそれは美しい少女だった。
雪のように白い肌、黒檀のような髪、蔷薇のような赤い頬。
死神を见つめる眸は美しい空の色をしていた。
まるで自分と正反対だ、死神は少女の姿を见て思った。
「旅が终わるまでというが、それはいつまでなのかわからない。
そのうちに、お前はきっと私の届かない所に逃げてしまうだろう」
死神は少女の言叶を信じられずに言うと、少女は思わぬ言叶を返した。
「ならば、私の旅についてくればいい。
私は贵方の前から决して逃げません。
私が死んだ时は、私の魂を贵方に差し上げましょう」
死神は少女の言叶にしばし考えた。
この少女の言う通り、一绪に旅をするべきか否か。
别に、死神は少女の言叶をきいてやる必要はない。
この命知らずな少女の命をここで夺ってしまっても构わないのだ。
けれど、死神は少女の言う「世界で一番美しい言叶」が何なのか
どうしても気になった。
「良いだろう。私はお前と共に美しい言叶を探す旅に出よう」
死神は少女の愿いを受け入れた。
こうして、死神と少女はこの苍色の世界から一绪に旅立つこととなった。















